なんとも久しぶりに、何も用事の無い休暇を取りました。
前日の泥さらいで、夜明け前に腰が痛くて目が覚めましたが、
それも、いつも起きる時間には収まって、
ゆっくりとした気持ちの良い朝となりました。
Tシャツなど夏の服を若づくりな店で買うと、
今の流行というのに、いちいち、へーへーボタンな買い物でした。
そのあとは、簡単で子供たちの喜ぶハンバーグを作って。
今日は我ながら、材料の配分とこね具合がいい感じ。
ポテトニンジンサラダと共に、美味しく出来ました。
そんな何気ない日常の休日とはうらはらな、
一歩間違えば人生を狂わせるような魔性の味のお酒。
これは、なかなか楽しませてくれました。
Damoiseauの1980年蒸留です。
Damoiseau 1980-02 60.3%, Full Proof, Guadeloupe
何とも艶かしい。
イチゴと若い赤ワインの煮詰めたもの。
みたらし団子のタレ。白味噌。鰹の血合い。
60度を僅かに超えるアルコール度数が
信じられないくらいの吸い付く様な濃厚な甘さ。
成熟した生身の女性の体を想起せざるを得ない、
柔らかく、たくましく、濃く、生臭く、甘美な複雑さ。
醸造酒と蒸留酒の特徴を併せ持った、不思議な感覚。
それが、口内から鼻まで、まとわりついて非常に長い。
魔性系です。
一言で言っていやらしい酒だと、マスターに率直に述べました。
うへぇ~、ヤバい雰囲気が出まくってます。
一昔前、宮沢りえさんや菅野美穂さんの写真集が話題になりましたが、
あーゆー感じではありません。
むしろ、私の幾分上の世代で言うと、
荻野目慶子さんとか藤あや子さんみたいな、
喰われたら命を落としかねない、
そういう、妖しくも危険な味です。
もしくは、醸造酒と蒸留酒の両者を具有する感じは、
池畑慎之介さんや美輪明宏さんの若いころの様な、
またコレ、美し妖しくも危険さが如実ですね。
長熟でないのが、このしっかりしたラム酒でありながら、
醸造酒のような不透明感というか生臭さを
醸し出しているのではないかと思います。
堕落の手前で紙一重に留まる、その微妙なバランスが、
また絶妙に艶めかしい一杯でした。
このボトル、裏ラベルによりますと、蒸留と瓶詰め年の他に、
"Mise en foudre 1998"とありますので、
この年に大樽に移しているんですね。
中身の禍々しいまでの艶やかさに比較して、
ラベルはキッチリとしているのが、これまた不思議でした。
では、ごきげんよう。
※誤字修正
#Damoiseau