春の陽光の様な。
陰干しの麦藁の様な。
柔らかく朴訥で暖かな、
穏やかで鄙びて落ち着いた、
そんなモルトがまためぐってきました。
Knockando 1979-94 43%, Justerini & Brooks
麦の甘味、バニラ、煙、カカオ、シナモン、
いずれもが穏やかにかつしっかりと全体を構成する。
若干のヒネはボトリングの古さに因るものではなく、
固有の特徴からと思われる。
やはり控えめではあるが、チェリー、プラム。
ミルクコーヒー、ミルクキャラメル、ハチミツの掛かったパンケーキ。
意外にも残り香に青い梅が立ち上ぼってから消えていく。
ひなびて柔らかく、しかしシッカリした味わい。
強い印象を残す感じではないし、野暮ったくもあります。
でも、じっくり向き合えば、
素朴ながらも力強い味わいに魅かれるはずだと思います。
ビンテージは入っているけれども、
スタンダードの格付けの品でしょう。
こんなスタンダードが今もあればなぁ。
すっぴんの笑顔が素敵なあなたに乾杯を。
では、おやすみなさい。
#Knockando