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力強さとバランスと Portellen

  「今日は二杯でお願いします。」

 、と言っておきながら、
 飲みたいと思ったものと、お勧めのものとを選び難かったので、
 結局、

  「やっぱり三杯にします。」

 と、あっさり前言撤回しました。

 その時ラストに持ってきた、締めの一杯。
 しっかりシェリーの力強いPortellenです。



 PortEllen 1982 19yo 61.3% Bloomsbury
  シェリー、ピート、ボディがいずれも強い。
  しかし何れもが突出せず、三すくみのバランスを保つ。
  果実、スパイス、シリアルなどと言っても、
  他の風味と絡み合って、特定の物に帰着させるのは難しい。
  強いて言うなら尖りのない酸味を帯びた杏、
  ヤマモモ、オレンジ、少しパイン。
  カルダモン、白胡椒。幾分暖めた木材。
  灰を連れたドライなピート。ヨードは余りないが潮気。
  味のバランスを保ったまま、最後まで非常に分厚く長い。

 開栓から5年経ってこの味になったそうです。
 開けたては全く違う味で、うまいと言えるものではなかったそうです。
 現在は、弱まって落ち着いたのではなく、非常に上手く混じり合って、
 力強くも複雑な味が、全体として一つの味を形成しています。

 Portellenとして、どうこうというより、
 締めの一杯として、抜群の味でした。

 では、おやすみなさい。

#Portellen

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