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面影を・・・ JohnBegg

 オーダーしたら、親切にも
  「ちょっと弱くなってきているけどかまいませんか?」
 と伝えていただいて、ちょっと迷ったけど、
  「お願いします」
 と。




 John Begg 1970s "Blue Cap" White Label
  麦、花、ブドウ、リンゴ、草の香り。
  口に含んでも、黒糖な甘さはあまりなく、
  蜜、麦の甘さ、ブドウ、パインの果実、ふすま紙。
  暖めた木と乾いた木材の間。
  薄く、シナモンとコショウのスパイス。
  これら全体がぼやっと薄められた感じで、
  かつてのピークのおいしさがしのばれるが、
  いまは面影を感じるというところ。

 元は麦をしっかりと感じさせ、
 ブドウから酸味を含んだ果実と、
 暖めた木に蜜の柔らかな甘さにそれを引き締める煙と、
 非常にしなやかながら強さを秘めた佳酒だったのでしょう。

 マスターはさすがに自分のお店のお酒の状態をご存じで。
 ただ、元のレベルの高さをしのびながら、
 薄れつつ味の中に面影を探しながら飲むのも、
 たまにはそのノスタルジックな感傷に浸ることが出来て、
 また、「いとおかし」な一杯でした。

 では、おやすみなさい。

#John Begg

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