こちらのマスターが以前にやっておられたお店での、
ある意味、裏ハウスモルトだったそうです。
裏なのは、店の前面に出して誰にでも出していたわけではないけれど、
ご自分も気にいって、多数確保してお勧めしていたそうです。
誰にでも出していないというのは、お客さんをえり好みしていたわけではなく、
ある程度ウィスキー、少なくとも蒸留酒に慣れていないと、
ハードすぎる味が受け入れられないためです。
当時そちらのお店の常連の方、懐かしいボトルではないでしょうか?
守口K店のTマスターなど、いかがですか?
Tamdhu 13yo 1981 59.9% Cadenhead Authentic Collection, Sherry
味香り共に、プラム、ヤマモモ、干しブドウ、杏、ダークチェリーなど、
酸味のある果実がアルコール感に締められつつもドカーンと。
硝煙や魚のワタの様な感じはないが、若く強いシェリー熟成の味わい。
スパイス、チョコ、グルナッシュの赤ワイン、煙。
アルコールの揮発とともに、果実のシェリー樽がものすごい勢いで戻ってくる。
いずれの味も濃いが、濁りがないので、爆発的な風味と裏腹に、輪郭の明瞭さも感じられる。
最後まで、圧倒的な風味が太く長い。
途中から、グラスが真っ白になるのがわかるくらいだけれど、
渋みやエグ味をあまり感じないのが、すごいところかと。
うーん、強い。
SestanteのGlenlochy飲んだ時や、Glenlossieの時の様な、
圧倒的な面白みのある、そして伸びる赤い果実の味わい。
「これがハウスモルトな扱いとおっしゃったけれど、
おいしく飲める人が多いとは思えませんが?」
と、率直に言いましたところ、
「だから、飲み方を見て、これが飲めそうな方にしかお勧めできませんでした。」
とのこと。
そりゃそうでしょう。
圧倒、爆発、というような表現が似合う、
細かな味わいの弁別など寄せ付けない力強さ。
若さと熟成感のせめぎ合い。
幾杯もモルトを飲み、もう酔いも回ってきて最後の一杯。
目が覚める締めでした。
では、おやすみなさい。
#Tamdhu