あー、最後の一杯、婉曲的にラムを勧められたのに、
終わりまでモルトにしてしまったよ。
すいません、マスター。
でも、とてもおいしい夜でした。
Glenlossie 16yo 1981-97 43% Intertrade
華やかで澄みきった香りと味。スミレ、桃。
麦感もやわらかながらシッカリ。
軽快な風味の裏に、若干のオイリーさとクリーミーさがあって、深みを与える。
非常にクリアな輪郭が最後にやや砂糖水に流れるが、下層に隠れる煙が、踏みとどまらせる。
また、それまでの透明な果実、後のバニラ甘さも非常に素晴らしい。
裏ラベルにはパフュームの文言があるが、花は感じても、パフュームとは思わない。
凛とした花の香りが立つけれど、麦の甘みとバニラが鋭角的な印象よりも、
ずっと素朴で爽やかな趣をかもし出します。
欲を言えば、ほんのわずかピークを越えて、甘みが若干砂糖水に傾きつつあるのが惜しいです。
いや、これでも充分以上に素晴らしいのだけれど、
ここまできたら頂上からの眺めを欲してしまう悲しい人の性。
しかし、イタリア人のボトルラベルのセンスはすごいなぁ。
呑む前に、すでに取り込まれてしまう。
味覚、嗅覚だけでなく、視覚でまずおいしいと感じてしまう素晴らしいボトル。
では、おやすみなさい。
※誤字修正
#Glenlossie