特徴を持って飛び抜けたところのあるボトルは非常にわかりやすいですね。
ヘビーピートなアイラとか、ばしばしに濃いシェリー熟成とか。
南国果実が炸裂とか。
でもねっ。
まろやかで滑らかで、尖った所はないけどへこんだところもないっていうような、
そんな大人のお酒って良くないですか?
自分で探しあてたわけじゃなくって、単にお勧めを飲んでいるだけでも、
なんだかすごいレベルのモルト飲みになったような錯覚を見せてくれます。
これも、そんなお酒。
Glenmoray 28yo 1974 53.4% Manager”s Choice Sherry
香りも、口に含んでも、非常に華やか、フルーティ。
シェリーだが、革やエグ味はほぼ無し。
果実はドライに過ぎないフレッシュ感を保ったベリー系から、少しオレンジ。
舌触りも滑らかで柔らかい。
暖めた木、シナモン、カスタード。
熟成感が素晴らしい。
最後まで、柔らかく甘くフルーティーでベルベットを擦っているよう。
Glendronachの1972や、Karuizawa1977/1982も、とびぬけて美味しかったシェリー熟成でしたが、このボトルもまた素晴らしいシェリー樽でした。
上に挙げたものと比べて同じ土俵で優劣を競うのでなく、全く別の固有なベクトルとして鎮座する。
その固有なベクトルの極地にあるのかと。
うわー、これはいい。
圧倒的ではないけれど、欠けるところの全くない、滑らかでしなやかな一杯でした。
熟成の良さを存分に引き出していてすばらしい。
では、おやすみなさい。
#Glenmoray