皆様は、どんなタイプのモルトがお好みですか。
私は、基本的に美味しければタイプを問いません。
バーボン樽で果実を味わえば、
「やっぱり、バーボン樽が正統ですよねー」
と言ってみたり、上品なシェリー樽では、
「このコニャックの様な高級感がいい」
などと言い、アイラを飲めば、
「ピートをヨードがあってこそのスコッチモルトだなぁ」
なんてほざいてみる。
結局、うまければ何だっていいんです。
良く言えば味覚の幅が広いといえるし、悪く言えば節操がないとも言えるし。
そんな私なので、強い自己主張のない可憐な味わいのモルトも、また好きなんですよね。
Benromach 1977 55.6% for Bar Old Course #1446
度数を感じさせないまろやかさ。でも、オイリーな舌触りではなく、むしろさらっとしている。
少し飴様の甘さに、オレンジの果実感。
若干酸味を足してレモン、青さを足してリンゴ。
のどに落ちて、口中より消え去るとともに、カカオ、バニラミルク。
しかし、いずれの味も強くない。
強くはないけれど、種々の味が細く長く続いて心地良い。
うん。しみじみいいですね。
同じBenromachでも長堀橋の2階でいただいた、
Benromach 17yo 40% 1898-1998 GM-CENTENARY
は、ピートとシェリーが効いていて、飲みごたえがしっかりとありました。
これはとっても美味しいボトル。
でも、強い個性を強調しないモルトは良くないのか?
いいえ。そんなことはありません。
むしろ、透明感、複雑さ、熟成感を明確に楽しむことができて、充分にありだと思います。
このタイトルのボトルを飲ませていただいたお初天神のバーでは他にも、
Glenkinchie 10yo 43% OB (終買品)
Rosebank 17yo 1990 46% Hart Bros
といった、しみじみとしたいいモルトをいただけました。
で、それらしみじみ系を飲んで、
「この強くないけれど複雑な味わいが、なんでもっと受け入れられないのでしょうね。」
なんて評論家みたいな能書きを、私は垂れてみる。
結局美味しければ、何でもいいって言うくせにね。
まぁ、少し位は背伸びして、かっこつけてもいいじゃん。ダメ?
では、おやすみなさい。
#Benromach