ローヤルクラブ25周年のシングルモルト山崎の記事の後、
ローヤルクラブ20周年のシングルモルト山崎を飲む機会に恵まれました。
ラベルのコメント
このピュアモルトウイスキーは、〈サントリーローヤルクラブ大阪〉の開店20周年を記念して、
山崎蒸溜所の秘蔵モルト原酒を厳選した特別限定品です。
酒齢20年以上ならではの、フルーティーで華やかな芳香をもち、ボディーは力強く重厚。
気品のある充実したアフターテイストを特徴としています。
長期熟成モルトの醍醐味をじっくりとお愉しみください。
※この時代、サントリーはシングルモルトをピュアモルトと表現していた。
香り
直火蒸溜が生きたベリーいっぱいの力強い甘酸っぱさに、
森永アロエヨーグルトの様なネットリとしつつも爽やかな甘味。
そして入れ立てブラックコーヒーの深い香りと、
炒ったピスタチオ(豆)の香ばしさの共演は、まるで喫茶店だが、
後から香る緑茶や竹林の風(もしくは筍)の香りは山崎のエステルそのもの。
ほんのりと奥ゆかしく香るピートのアクセントに遊び心があり、
どこか背後に神々しさを感じる古酒感がミルキーで、
山崎の原酒だけで2〜3度の熟成を重ねた古い
シェリー樽とパンチョン樽が使われた
そんな原酒を思い浮かべる様な、まろやかな深みに背筋が伸びる。
ミズナラ樽原酒の神々しさとは異なる、ゾゾっとする程に良い香り。
味わい
黒蜜かけのデーツ(ドライフルーツ)の濃厚な甘味がじわっと溶け広がる。
甘味が強い反面、カンゾウやタンニンの苦味や渋味も強く感じる。
甘味にも渋味にも「重み」を感じられる。
加水後
香りに快いエステルが引き立ち、焼き立ての食パンに、
桃のコンポート、イチゴジャム、マーマレードが香り、食欲がそそる。
味わいは、フルーツを感じようとしたところで、
苦味が全面に押し出てきて、せっかくのフルーツを見えなくする。
後味
ロッテのブラックブラックガムを噛んだ後の様なドライで重く、
それでいてハーブの爽快な余韻が長く続く。
総評
瞬時に香るシェリー樽の香りには、軽井沢と同じエグミを感じたが、
香れば香る程にシェリー樽やパンチョン樽の原酒が深く色鮮やかに現れる。
そして重厚な味わいと余韻は、閉鎖的なローヤルクラブの夜を想像させるのに
充分過ぎる表現力のあるモルトウイスキーに仕上がっている。
#山崎