我が家には黒いのがいました。
14歳の彼は梅雨入りの週末、天気が雨に変わる頃に永い眠りにつきました。
つい先月にはツバメを捕る程の健康な猫でしたが、
この2〜3週間で見る見る細り、ごはんも食べなくなりました。
あっという間の出来事でした。
元々、好き嫌いが激しく、若い頃から水を良く飲む習慣があったので、
いつもと変わらない生活が続いていたのに。
急な痩せ具合に気付いて病院へ連れて行くと腎臓肝臓不全との診断。
慢性症状が緩やかに進行し、突然の機能停止。
水を飲んでも飲んでも吸収せず、極度の脱水状態。
猫の3割以上が同じ症状の死因なのだそうです。
家から出さない「家猫」なのでずっと病気もせず、病院に縁が無い猫でしたが、
何年も前から、蛇口の水を飲んでみたり、湯船のお湯を飲んでみたり、
アレが病状のサインだとは気付きもしなかった。
この1週間は本当に食べ物らしい物も食べず、
せいぜい好物のマグロの刺し身をほんの数口食べただけ、
最後は水も飲まずに、ただただ衰弱していきました。
点滴を打って生き永らえる努力をした愛猫家の記事を読んでも、
それが本人にとって最良だったかどうかは分かりませんでした。
我が家では痛がる注射をさせない事を選択しました。
つい数日前まで元気だった彼が、2日前は生まれたての鹿の如く、
歩くのもままならない状態で、最後の日は寝たきりの状態から、
頭を起こすのが精いっぱいでした。
最後は本人にとって苦しい日々でした。
それを見守る我が家の家族も辛い日々でした。
安楽死をさせる事も、何度も何度も考えました。
本人が一番望む事は何なのかを、ずっと考える日々でした。
昨日は我が子が一番泣きました。
今朝もふとんの中で泣いていました。
今でも、足下に、部屋のどこかに居る気がして、ふと見下ろしてしまいます。
赤ん坊の頃、風邪をひいて路上で倒れていた彼は、
女房に拾われなければ、ここまで生きていなかったかもしれません。
寿命を全うできただろうとは思っています。
でも、余りに急で、好物を食べさせてあげる事さえ、まともにできませんでした。
健康だと思っていても、無駄な出費になっても、本人が嫌がっても
時々は動物病院へ連れて行けば良かったと後悔しています。
愛猫家の方々、時々は動物病院へ行ってあげてください。
#others