MENU

Imperial1990 能面

インペリアル1990マガジン
最近、あまりに1990年ヴィンテージのインペリアルが騒がしく、
静観していたのに結局買ってしまい、改めて己は小心者だと気付きました。

クリスマス前に開封して飲んでいるボトルです。

1990〜2009年、19年 48.3%
Cask No.439

オフィシャルコメント
このインペリアル1990の特徴はそのフルーティさ。
90年代ヴィンテージでありながら、熟したフルーツの甘さと口当たりのやわらかさは圧巻です。
東南アジアの市場のような 南国フルーツとスパイスの混じった複雑でエキゾティックなフレーバーは
このモルトの良さを見事に表しています。

色 :マホガニー
香り:バター、煮たフルーツ、甘いみかん、ミルクキャラメル、カモミール、ゴルゴンゾーラ
味 :シンガポールのフルーツマーケット、杏仁豆腐、
   アジアンスパイス、ウッド、チーズ、クラッカー

香り
桃、みかん、金柑、真桑瓜のミルク生姜煮。練乳の甘味。
山羊の乳やそれで作ったバター、そして青かびチーズ。
ふわっと香るマジックインキ(油性ペン)のシンナー臭と
香ばしく若いリンゴ様のエステルが、甘味をさらに引き立てている。

味わい
サトウキビの繊維質な甘味とスウィーティー(青い柑橘の実)の青い甘味を感じた後、
黒胡椒のスパイシーな辛味とエステリーな味わいが一気に広がり、
ブリー程に強烈なコクのあるチーズの旨味を軽くチラつかせながら、
杏仁豆腐のエスニックで引き締まった甘味に変わる。
飲み続けると出てくるパッションフルーツとパイナップルが面白い。

加水後の味わい
ホワイトオークの成分が凝縮されたモルトを飲んだ後の
グラスに残る白い濁りのウッディな木香や、
烏賊の腹綿にグレープフルーツやレモンの果汁を掛けた様な、
旨くてフルーティーなのか、気持ち悪いのかが分からない、個性的な香り。
個人的には…。

味わいには軽く酸味が増して、ほろ苦さを持ち、
それでいてジューシーな伊予柑(内皮が厚い柑橘)と青い柑橘。
そしてピリリと辛味を帯びつつも旨いブルーチーズとバター。

後味
香り豊かでフルーティーな紅茶のフレーバーが鼻から抜ける。
タンニンが利いているのにフルーティー。

総評
時間が経つにつれて強くなる、青かびチーズ様の香りに、
秩父蒸溜所のモルト原酒を思い浮かべた。
そして離乳食であるミルク煮に練乳の甘味を加えた様な、
優しくも強く甘いフルーツ香がモルトを楽しむ時間を長くさせてくれる。

一方で、味わいは硬く、ウッドデッキの堅い木を思い浮かべる。
(南国)フルーツという甘味よりも、ミルクの甘味の中にエスニックなスパイスを感じる。
(エスニックな漢方薬の香りや味を的確に表現できない自分自身の未熟さが辛い。)
そのエスニックな個性が甘味に絡んで、面白みや楽しさを広げている。

#malt

この記事を書いた人