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SMWS 119.11

119.11
今年最後のテイスティングコメントにします。

ソサエティの2009年クォータリー、オータム・ボトリングス。
1st-fill Bourbon Barrel 52.3%
1991年 17年

珍しく、ソサエティの日本語のオフィシャルコメントはありません。
(↓ラベルのコメントより)
The initial nose has ginger, vanilla, fablic cleaner and burning twigs.
With water it becomes more fragrant, like jasmine, mimosa and orange.
the palate is sweetly tannic, with gentle smoke
(lapsang souchong or smoked duch) and fruit (orange, melon, lychees).

香り
フライパンの上で焼かれる玉子とベーコンのジャーキーなスモークの中に、
苺、パイナップルや若いすもものフルーティーな酸味、
桃や杏子の甘いフルーツやホイップクリームの甘味がしっかりと香る。
そして桜やアーモンドの樹液を焼いた様な、ナッティーで
軽くタンニンを含んだエステル香が、じわじわ開いてきて食欲をそそる。

香りから、硬い物を噛む事を思い浮かべる様な、
山崎の水の硬さが伝わってくるのが面白い。

味わい
口いっぱいに灰が広がった後、その灰をゆっくりと流す様に、
メロンの形をした容器に入ったメロンシャーベットが
まったりと溶け広がり、灰のアクとバニラアイスクリームの甘味がせめぎ合う。
そして次第にビタークッキーや甘さ控えめのガリ(生姜の甘酢漬け)の
しっかりとした味に変化していく。
鼻から抜ける香りに、軽く香るジャスミンのフローラルが嬉しい驚き。

エステリーな味わいの中に感じるふわっとしたショートケーキの甘味が、
心地良いバランスを保っている。

加水後の味わい
香りに軽〜くビニールが現れるが、嫌味無く、
スモーキー、ナッティ、エステリーでフルーティーな香りは変わらない。

味わいは生姜が出てきてホットになるが、反面、ハチミツの甘味が出る。
少しスモーキーな、ハチミツ漬け生姜のホットティーの様。

後味
「スモーキーでエステリーな玉子ボーロ」が長く続く。

総評
ストレートに、快くスモーキーでエステリーな山崎。
スモーキーで無くても旨いだろうと思うのに十分な旨さを持っている。

スモーキーなモルトは得意では無いけれど、富士御殿場にも共通する、
桜餅様のエステルが利いているモルトは両手放しで嬉しくなる。
一方で、山崎でこの香りと味を作れるなら、サントリーとキリンの経営統合で
富士御殿場蒸溜所は不要となるのではないかという、要らぬ心配をしてしまう。
それ程に富士御殿場と同じ方向の、エステリーなモルト。楽しい♪

#山崎

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