今年のお正月に開けた、15年物の山崎シングルモルトウイスキー。
昨年、偶然にも山崎80周年記念限定ウイスキー(2003年発売)と共に酒屋さんで見つけ、
希望小売価格のままで購入した物。
ヤフーオークションでは1本34,800円で落札されているというプレミア価格が付いている。
サントリーコメント
「山崎シェリーウッド」は1997年に「山崎シェリーウッド1982」を発売以来、
ヴィンテージウイスキーとして高い評価をいただいております。
今年は1984年に蒸溜した原酒樽からわずか15樽分、3,600本に限定して発売します。
「ストレートヘッド」の蒸溜釜で蒸溜したモルトを「シェリー樽」に詰めて、
近江エージングセラーの「1号庫南ブロック6段」に15年にわたり貯蔵。
1999年春にヴァッティングし、じっくりと後熟させた
珠玉のピュアモルトウイスキーです。
●中味の特長
シェリー樽由来のバニラ香と、山崎モルトの特長でもあるエステリーな香りの
絶妙な組み合わせが豊かな芳香を生み出します。
リッチで重厚な味わいのなかにも、柔らかさ、滑らかさを感じさせます。
長く余韻の続くアフターテイストも「山崎シェリーウッド」ならではの特長です。
●パッケージの特長
「山崎」ブランドのシルエットを踏襲したボトルに白地のラベルを採用。
蒸溜年度である「1984」をゴールドで仕上げ高級感を表現しました。
ラベルには麦芽のタイプや、蒸溜釜のタイプなどが手書きのロットナンバーとともに記載。
さらに当社マスターブレンダー 佐治敬三のサインを加えました。
香り
イチゴジャム、ドライ無花果、レーズンや、あかしあハチミツのフルーティーで、
シェリー樽原酒特有の濃いコクのある甘酸っぱい香りに、濃厚なウッディが響き、
軽く生クリームのこってりした甘味、スモークとハーブも感じつつ、
山崎特有の鉛筆や建機の様な軽やかなエステルが華やかさを演出している。
どこかに旬の秋刀魚の脂の様な美味しい「オイリー」も感じられる。
味わい
生クリーム掛けのフルーツ(イチゴ、メロン、皮付きの巨峰、アプリコット)が、
打ち上げ花火が開く様に口の中で甘酸っぱく開花する。
そしてモルトの麦が効いた香ばしい旨みを堪能し、
軽いコーヒーのビターなコクを感じつつ、
それらが共鳴し、長いフィニッシュに向かう。
加水後の味わい
香りはフルーツやエステルが軽くなるが、
砂糖菓子の甘味や、麦のコクとオイリーさが増す。
味わいは「加水に負けない。」ゴムが全く出てこず、
味わいも濃厚さが軽くなるだけで、アタックもあり、
しっかしとりたフルーティーでコクのある味わいをハッキリと感じられる。
むしろカラメルが出てきて、甘味が増した様。
後味
生クリーム、ドライフルーツ、ウッディが重厚に長く続く。
特に後からどんどん増してくるウッディは長熟のモルトを楽しんだ時の様で、
香りや味わいに引けを取らない豊かさを感じる。
総評
グミグミと凝縮した濃厚な香りはトップからキラキラ輝いていて、
鼻の奥に染み入り長く残る、素晴らしい、良いモルト。
特にバラエティ豊かなフルーツ感は15年とは思えない充実した複雑さを持っている。
極上の温泉に浸かった時の喜びを感じる時と同じ様な
「山崎シェリーウッド、良いわ~。」という喜びを実感できる。
また45度というアルコール度数のバランスも絶妙で、濃厚な味わいを堪能させつつ、
ついつい2杯、3杯とグラスを重ねてしまう。ブレンダーの魔術を感じる。
(ブレンダーは魔法使いだと思います!笑)
ライトピートの山崎シェリーウッド1982も美味しかったけど、
個人的にはピート感が抑えられた、この1984の方が好み。
昨年、運良く酒屋さんで見つけて希望小売価格で購入したものだが、
オークションでプレミア価格になっているのも納得の味わいを持っている。
まだ今年は始まったばかりなのに、「今年1番」のモルトになり得る
実力を持ったジャパニーズシングルモルト。
#山崎