昨年の2月、女房の出産予定日を過ぎても子供が生まれず、
イライラ解消にネットサーフィン(モルト探し)していた際に発見し、
「いつの間に(発売していたんだ)!!」と驚いて、
ストレス解消とばかりに、即、衝動買いしたボトル達の1つ。
1986年12月27日〜2006年10月5日
Sherry Butt 60.5% 402本
ラベルコメント
豊かな自然の息づく中央アルプスその頂点にそびえる霊峰駒ケ岳を仰ぎ、
標高798mにマルスウイスキー信州工場は静寂の中にたたずんでいます。
この美しい自然環境の中、澄んだ空気と水から丹精こめて造られた
熟成モルトウイスキーの中から一樽だけを厳選し、瓶詰めしたものが
シングルカスクウイスキー”駒ヶ岳”となるのです。
蒸留年・樽・貯蔵位置ごとに特徴があり、一樽から瓶詰めされる数量も限られているため、
希少の逸品となります。
一樽だけから生み出される僅少の味わいを、ゆっくりとお楽しみください。
オフィシャルテイスティングコメント
シェリー樽熟成特有のドライフルーツを思わせる甘い香りと樽の香りが強く感じられます。
また、ピート香を抑えた信州らしい優しい原酒が、シェリー樽の風味を引き立てています。
香り
極く軽~い硫黄があるものの、甘酸っぱいシェリー樽原酒をしっかり感じ、
香りからすぐにマルス特有の重い濃厚フルーツがギュッと出てくる。
グレープフルーツ、レモン、ドラゴンフルーツ、ライチと言った、
酸味係ったフルーツがメインに、バナナやマンゴーの重めの甘味。
そしてしっかりと樽香も乗っていて、
強めの芳香は鼻の粘膜にシェリー香として、しっかり残る。
味わい
硫黄をしっかり感じると、酸味掛かった香りとは異なってフルーツは少なく、
黒砂糖の濃厚な甘みがドロ~っと流れ出てくる。それはとてもシンプルな甘み。
また加水された商品でさえアタックが強いマルスのモルトにも関わらず、
60度を超えている事もあって、アタックは激しい。
しばらくすると甘みは遠のき、大人びたビターな焦しバター風味の渋味がやってくる。
加水後の味わい
香りのアタックは弱まらないが、硫黄臭が強めになり、
フルーツ香は酸味が弱まりながらもしっかり主張し、果実味を増す。
軽いピート香も現れてくる。
味わいは辛味が出る物の、単調な甘味から軽くフルーツが顔を出してきて、
清涼飲料水系の甘みも加わり、印象が良くなる。
朝顔(花)のフローラルと豆の香ばしさも伴って、ストレートよりも味わい深くなる。
(白州のシェリー樽原酒の加水商品を彷彿とする。)
後味
漢方薬か紹興酒の様な苦味のあるコクが長く続く。
総評
香りの素晴らしさに期待したのだが、意外に味わいは単調で、
余韻も素晴らしいとは言い難いものがある。
「SINGLE CASK#1124」の様に香りに反した意外な味わいの良さとは真逆で、
ちょっとがっかり気味だった。
加水時の印象の良さで助けられた感があるが、それでも期待した
いつものマルスらしさを誇る味わいではないと感じる
シングルカスクモルトウイスキーだった。
(厳しい評価をするのは、マルスに対する期待度が高過ぎるからなのかもしれない。)
#マルス(本坊酒造)