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Age Unknown


今年のテイスティング始めは、昨年末に開けた、この素晴らしいシングルモルトから♪

佐治敬三氏が1989年に勲一等瑞宝章を受章した際の
記念式典(パーティー)の記念品(非売品)。

(その他に著書「へんこつ なんこつ」刊行と
 「ウイスキーづくり70年」感謝の会バージョンもあります)


佐治敬三氏のメッセージによると
山崎蒸溜所に眠る秘蔵の樽から、私がこれまでに出会い得た
最高の秘蔵モルトのみを吟味し、選び抜きました。
熟成年数は、少なくとも二十五年以上。
文字通りエイジ・アンノウン(年代未詳)の秘蔵熟成ピュアモルト(※)でございます。


なお、「サントリーピュアモルト(※)ウイスキー山崎25年」は1998年にサントリーが
創業100周年を記念して、その1年前、ひとあし先に限定発売した歴史を持つが、
このはAge Unknown非売品ではあるものの、さらに9年前にサントリー社外に出回った
シングルモルト山崎25年のオリジナルバージョンと言える。

※この時代、サントリーはシングルモルトでもピュアモルトと表現していた。

香り
ストレートに長熟ミズナラ樽原酒特有の、香木や線香を思わせる神々しい香り。
そしてパッションフルーツ、マンゴー、ライチ、桃、柿、干し葡萄、キウイフルーツ等、
数々のフルーツが熟して発酵している程に香り、それらが重なり、
さらにドライデーツやチョコレートの甘い香りが包んで、
複雑な香りを鼻から脳まで溢れるほど染み込ませる。

飲み終わったグラスが白くなる様に、
鼻の粘膜にびっしりまとわり付く程に、伽羅香が残る。

味わい
フルボディで滑らか。複雑な香りに比例して味わいも複雑。
舌に乗せてふわっと最初に香るのは熟した西瓜。
そして干し柿、干し葡萄やドライデーツの凝縮した甘味と、ほんのわずかな酸味があり、
さらに表現し辛い、重みを持った「コク」が押し上げて来る。
「マッカランみたいな麦々していてシェリー樽原酒のコク」で伝わるのかもしれない。

そしてそれらをシッカリ感じている間、ずっと伽羅香が主張していて、
ミズナラのそれだと明らかに分かる。

加水後の味わい
ほんのりとスモーキーが香り立ち、良い意味で山崎の蒸溜室内の香り
(ニューポットのフレッシュな香り)と貯蔵庫の香りも立って来る。
ややドライになる物の、それでも重厚さを失わず、
反面、ミズナラ樽よりもパンチョン樽原酒の様な甘味が引き立っている。
そう感じていると、ミズナラ樽の香りが戻ってきて全てを包み込む。
何か色々出てきて、ス・ゴ・イ。

後味
舌はハチミツ漬けの干し葡萄。
鼻は伽羅香と熟したフルーツの発酵臭。
それらが長く続く。

総評
時に口にできる機会が増えたミズナラ樽のシングルカスクの、貴重な味わい以上に
深く、複雑に、そしてしっかり感じられる、数々の樽由来の原酒の調和が素晴らしく、
ミズナラ樽をはじめとして、大切なシェリー樽やパンチョン樽等、
山崎蒸溜所で長期に渡って眠っていた様々な樽から
原酒を選び抜いてブレンドした事がハッキリ伝わってくる。

今はこのモルト以上に熟成した35年や50年のシングルモルト山崎も存在するけれど、
このシングルモルトがあって、その後に25年、35年、50年の発売という
サントリーの歩みがあったという、山崎蒸溜所の歴史の重みも十分に感じられる。

そしてアンオフィシャルのシングルモルト山崎の珠玉の逸品と言っても過言では無い。


至る所に「Age Unknown」と記されている、遊び心が難い♪

#山崎

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