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105. リトルミル / Littlemill, 106.インヴァリーブン / Inverleven

2012.06.08

 朝一でオーヘントッシャン蒸留所のツアーを終えた後は、ローランドにかつて存在した閉鎖蒸留所の跡を求めて西へと向かいます。

 まず、向かうはリトルミル蒸留所跡。創業は1772年と、スコットランド最古の歴史を持ちながらも、1994年には閉鎖。10年後の2004年には火災によって建物自体も焼失してしまった蒸留所です。
 閉鎖後まだ20年ほどしか経っていないことと、そもそものモルトの味わいがかなり独特、有り体に言うとあまり評判が良くなかったこともあってか、まだまだ新しいボトルのリリースもあったりする蒸留所です。とは言え、あと数年もしたら飲めなくなるのかもなー。

 オーヘントッシャンからは、まっすぐ西へ2.5マイルほど。てくてく歩いても一時間とかからずに到着できる距離で、鉄道駅で言えば一駅分。オーヘントッシャン最寄りのオールド・キルパトリック駅からお隣のボウリング駅へ移動すると、リトルミル蒸留所跡地はすぐそこです。
 私はというと、そこは貧乏旅。もちろん一駅分をケチっててくてく歩きます。

 一本道ですので道に迷うこともなくリトルミルに到着。しかし、前述の通り、こちらの蒸留所はもう焼失してしまっている。現在、その跡地がどうなっているのかなどの情報はまったく分からない状態で、目的地に到着。果たしてここであっているのだろうか……。

(下調べしていた地点につくと、そこには焼失した?ともとれる建物の残骸が)

(フェンスに囲まれた荒れ地は、まさに蒸留所一つ分くらい?と言えないことも)

(道を挟んだ向かいには、まだ築年数も浅そうなアパートが。因みに写っている標識には「LITTLEMILL PLACE」と表記されていた)

 うむむ。場所はここで間違い無さそうだが、やはり、蒸留所の名残のようなものは残っていないな。なにもない住宅の前をふらつきながら写真を撮っていても怪しいだけなので、適当に切り上げて次の蒸留所跡を目指します。

(アパートの名前に面影が残っているか)

 少しく期待はずれな感じを胸に抱きつつも、次なる蒸留所跡も同じく今では建物がなくなっているというインヴァリーブン。元々はダンバートンのグレーンウイスキー工場内に創られた蒸留所で、かつてはローモンドスチルなんかも設置されていました。蒸留所自体の閉鎖は1991年。GMのビンテージシリーズのボトルなんかは今でもちらほら見かけたりしますが、リトルミルに比べるとリリースは少なめの印象です。建物自体も2005年には取り壊されてしまっているとのことですので、期待は薄めですが、とにかく向かってみることにします。

 リトルミルからは3マイルほど。やはり鉄道駅だと一駅分でダンバートン・イーストという駅が最寄りになるわけですが、1時間かそこらの距離ならてくてくと歩いて行きます。

 線路を左手に見ながらひたすら西進。すると、なにやらウェアハウスの屋根のようなものが。

(道路の端から除くあの屋根は……?)

 いかんいかん。蒸留所巡りの弊害か、リトルミルが見れなかったのが悔しかったのか、普通の建物でさえ蒸留所の建物っぽく見え始めてしまった、と思ったのも束の間、次の瞬間目に飛び込んできたのは……。

(ん……?)

(これは……?)

(まぎれもなくウェアハウス!)

 バランタインのロゴが書かれた樽のオブジェや、ペルノリカール社の旗などが飾られているところから、主にブレンデッド用原酒が眠る集中熟成庫ではと。そういえば、グラスゴーの近くにあるって聞いたことあるしな。


(シーバスのマークが看板には描かれている)

(看板には「DUMBUCK WAREHAOUSES」と)

( SITE 1から SITE 3まで、かなりの広範囲に渡ってウェアハウスが並んでいた。一体どこの蒸留所のモルトがどれほど眠っているのだろうか……)

 貧乏旅行ゆえの徒歩移動で、なんとなくめっけもんをした気分。雨がしとつき始めた頃にインヴァリーブンのある町に到着です。ダンバートンの駅から、入り江にほど近いリーブン川付近に、なんとなく名残のある荒れ地を発見します。

(うーん。ちょっと無理矢理かな?)

(場所はここであっているはずだけど……)

 例によって、蒸留所があったという名残を発見することは出来ずじまい。結局は、先ほどの集中熟成庫が一番見ものだったな、と思いながら、この日最後の蒸留所へ向かうため、バス停を探します。

#Inverleven #Littlemill

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