2017.5.22
トマーティン蒸留所の見学を終えた私が次に向かうはスペイサイド蒸留所。
トマーティンからスペイサイドまでも、また交通の便が悪い!まず途中のキャルブリッジという町まで行き、そこで乗り換えてスペイサイド最寄りのキンガスジーという町までいくのですが、この本数がとにかく無い!曜日によっては完全にないので、ここに行くには事前の計画が何より大事です。
無事キンガスジーまでたどり着いたら、そこから3マイル、約1時間のハイキングの開始です。
(キンガスジーからスペイサイド蒸留所までの道中には、ちょっとした観光スポットになっている古城もある。しかし、すごい量感のある雲だな)
これから向かうスペイサイド蒸留所。私にとっては少し特別な意味を持つ蒸留所で、というのも、時は5年前、2012年まで遡ります。
当時、バックパッカー蒸留所巡りの旅をしていた私が、3ヶ月かけてスコットランド、アイルランドを一周して帰って来た際、この旅では行けなかった蒸留所が2つありました。逆にいうのであれば、2012年当時にあった現役蒸留所は、2つを除いて全てを回ったということになります。その2つというのが、ダフトミル蒸留所とスペイサイド蒸留所。そしてダフトミルに関しては、この1月にすでに訪問を済ませていたので、スペイサイド蒸留所こそが、私にとってある意味最後の蒸留所ということができるのです。
とは言え、2012年以降、新しい蒸留所はたくさんできているので、まだまだ行くべき蒸留所はたくさんあるのかとも思いますが、とりあえずはスペイサイドを持って、一つの「全蒸留所制覇(2012年当時)」が果たされるというわけなのです。こちらも当時は「よっしゃ、全部回ったろ!」という気概があったわけではないのですが、こうして多くの蒸留所を回っていると、どうしても全部行ってみたくなるというのが人の性というもの。期待に胸を膨らませて歩いて行きます。
(ハイランドらしい、山に囲まれた風景)
(雲の様子が刻々と変化して行きます)
前日にグレンオード – ブラックアイル間を3時間かけて歩いたものの、もともと歩くのは嫌いな方ではない。1時間くらいのハイキングなら、まぁこなせるだろうと思っていたのですが、この日は移動日。つまり、でっかい荷物を担いでの行脚となります。それもちょっとやそっとの荷物ではありません。1年分の生活用品ががっつり詰まっているわけです。こりゃあきつい。肩が腰が悲鳴をあげている。
ひいひい言いながらも、ここは念願の蒸留所。砕けそうになる気持ちを鼓舞しながら前へ進みます。帰りのことは考えないようにします。
(蒸留所のすぐ近くには轟々と流れの速い川が流れている。「スペイ川かな?」と思っていたのですが、いま調べてみたら、その支流であるトロミー川らしい。そういえば、スペイサイド蒸留所は、その名前のくせに地域区分がハイランド。地理的にはハイランドで文句はないのですが、スペイ川本流からも2マイルくらいしか離れていないのだから、スペイサイド区分でもいいのでは?と思わずにいられない)
さらに、スペイサイド蒸留所はノービジター蒸留所。こんな大荷物抱えて行ったはいいが、見学させてくれなかったらそのままとんぼ返りしなくてはいけない。肩も痛み損って奴である。その時は、荷物アピールして、キンガスジーから歩いてきたんだよってアピールして、泣き落としからの逆ギレでむちゃくちゃやろう。そんなことを考えながら、ようやくそれらしい看板を発見です。
(まさしく!)
(この先に念願の蒸留所が)
(道の先には煙突の建物が!)
無事、念願の蒸留所にたどり着けた私。果たして見学はできるのでしょうか?まて次号!