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ノックデュとノッカンドゥ ややこしい蒸留所名

蒸留所について勉強を始めてみて、ゲール語由来のややこしい名前に悩むこともありますよね。

わたしの場合はタイトルにも書いた Knockando と Knockdhu でした。名前似てる~、違いがわからんと(笑)。

まず、Knockdhu から。Cardhu のときにも説明しましたが、英語で書かれる地名で dhu は、黒いという意味のゲール語 dubh からきていることが多いようです。Knock は丘という意味のゲール語 cnoc に由来するそうですから、地名であれば、knockdhu はゲール語で (an) cnoc dubh と書かれるべきものです(an はゲール語の定冠詞ですから、つけるかつけないかはその地名によります)。
ただし、Knockdhu蒸留所がある地名は Knock ですから、この場合の Knockdhu 地名ではなく、蒸留所につけられた名前ということになります。意味はもちろん”黒い丘”です。
実際に地名としては Knockdhu は北アイルランドに、 Knockdow (Knockdhuとも書かれる) がスペイサイドから遠く離れたスコットランド西部にあります。

さて、よく似た名前の Knockando も同じような意味なのでしょうか?
地名の解説は下記を参照してください。全く違った意味でした。この場合は、ゲール語で黒い丘という意味ではなく、”市場がある丘”のような意味なのです。ceannaich は、買うという意味のゲール語の動詞なのですが、 cheannachd という分詞形があって、名詞扱いでは市場や交易という意味もあります。
これを丘という意味のゲール語 Cnoc にくっつけて Cnoc cheannnachd ができあがります。

http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

Knockando (Moray), Cnoc Cheannachd. ”Market hill”. 
市場のある丘

ただし、これはあくまでも地名としての意味です。Auchroisk 蒸留所のように、蒸留所が地名とは違う意味の名前 and/or 意味を当てる場合もありますので、その場合は上記サイトにある地名研究者の解釈は通用しないかもしれません。

でも、わたしは Knockando は”市場のある丘”、Knockdhu は”黒い丘”と覚えたので、混乱しなくなりました(笑)。

#蒸留所

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