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Macallan試飲会、そして目黒

 Macallanは何故売れているんだろうと、改めて不思議に思うGIANでした。

 今日は、アイラバー東京さんでのMacallan試飲会に出てきました。講師には、サントリーから吾郷氏(ウィスキーアンバサダー)が来られました。

 試飲ラインナップ
 A New pot
 B American White Oak Bourbon Cask 1993-2004
 C American White Oak Sherry Cask 1993-2004
 D European(Spanish) White Oak Sherry Cask 1993-2004
 E Macallan Fine Oak 12yo
 F Macallan 12yo
 G Macallan Fine & Rare 1976 29yo 45%

 まずは、マッカランの歴史や特徴についてのお話からはじまりました。スぺイサイドには何故蒸留所が多いのか。知っていて当然の事ですが、スぺイ川流域の豊富な水、豊富に栽培されている大麦、そして渓谷が多く、密造者が隠れ潜む場所が多くあったことですね。政府登録第一号の蒸留所がGlenlivetであることは有名ですが、Macallanが第二号であることは知りませんでした。また、Macallanはゲール語で聖コロンバの丘という意味を聞いておりますが、蒸留所に行くと、Macは肥沃な土地、allanは18世紀のアイルランド僧侶と説明されているそうです。

 そして、マッカランの作りについてですが、やはりポットスチルに興味が移ります。初溜は10kLが5基、再溜は4kLが10基で、非常に小さいのと、ストレートヘッド型でラインアームがかなり下を向いていることが特徴です。さらに特筆すべきは上流スピードが6-8L/minとゆっくり(通常は10L/min)であることとミドルカットが16%(他の蒸留所は20%程度)だけであることです。

 さて、肝心の試飲ですが、ニューポットは非常にモルティな甘さが感じられました。加水すると青りんごのようなフルーティさがわかります。その後、樽違いを三つ味わいましたが、加水して少し置くとバーボン樽のサンプルが非常に香り豊かになります。バニラとシトラスが際立ってきます。スパニッシュオークのシェリーは確かにシェリー樽の良さを引き出していて平均的な及第点は挙げられますが、インパクトがない。ウィスキーを飲んだ時の魅力が足りないような気がします。だったら、アメリカンオークのシェリー樽をもう少し長く熟成した方がおもしろいんじゃないかと感じました。

 現行品のファインオーク12年とオリジナルの12年が置いといて、Fine&Rareの1976年(29年もの)ですが、おいしいとは思いますが、驚きがない。優等生なんだろうなという気はしますが、私ならバーボンカスクのマッカランを出しますね。

 試飲の後、原料の大麦について聞いてみました。というのも、先頃マッカランでは、ゴールデンプロミスの畑をつぶして熟成庫と増設したということだからです。マッカランでは今年からゴールデンプロミスの使用をやめ(遺伝子組換え疑惑のためらしい)、開発した独自の品種(マッカラン種?)に切り替えたらしい。ということで10数年後にはこだわり続けたゴールデンプロミス種なしのマッカランが出てくることになるだろう。

 試飲したサンプルの評価については個人差があるのでこれ以上いわないが、なかなか情報量の多い試飲会であったのは確かであり、そう言う意味では楽しかった。アイラバー東京さんとサントリーに感謝!


 写真の写りが悪くて申し訳ないが、試飲会の後に目黒のマッシュタンに行ったのでそれについてすこし書いておく。久しく言っていないマッシュタンであったが、来月に4周年を迎えてイベントをやるため、その前に行っておきたかったのと、昨日神保町のMOONBEAMSさんからマッシュタンでSOSのSt.Magdeleneが開いているとの情報を得たので、早速伺った。

 まずは、プレ4周年企画として格安提供されているGlenmorangie25年を頂いた。直前に小腹を満たすためにハンバーガーを食べてしまったので、繊細な味がわからない。とりあえず、口と胃の中の油を取るには良かった。全部飲み切るまでには少しフレーバーを感じられるようになってきた。次に頂いたのが、70年代後半に出回っていたロッホナガー12年。これが非常に美味、長い余韻の間じゅう、シェリー樽の温かい味わいが続く。次にお目当てのスピリット・オブ・スコットランドのセント・マグデラン。私の好きなローランドである。アロマはシャープなエステリー香だが、フレーバーは豊潤でじわじわと温かみのある味わいを楽しませてくれる。そして最後は何故かまだ飲んでいなかったウィスキーフェアのロングモーン1969.SOSとは違って切れがあり、いつの間にかなくなってしまうようなフィニッシュであるが、爆発力のあるトロピカル系のフレーバーはやはりロングモーンの魅力だろう。

 今日も楽しい一夜でした。

#イベント

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