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松江でタヌキにかじられる<長文>

先日、出雲と松江を旅行してきました。
週末を使って一泊二日の一人旅。
初日は、日御碕と出雲大社を見て周りました。
出雲大社の本殿の大きさにはびっくりしました。木造なのに高さ24メートル。本殿は近づけないので遠くから見るだけなのですが、遠近感が狂うぐらいの大きさです。
昼飯は出雲そば。歯ごたえが良く美味しかったです。
夕方、出雲市駅前の温泉に寄ってだらだら過ごし、JR山陰本線で宍道湖を眺めながら松江に移動して駅前のビジネスホテルに宿泊しました。ぱっと見うらぶれた感じのホテルでしたが、値段のわりには静かで清潔で居心地良かったです。朝飯(付きのプランで泊まった)も美味しかったし。

二日目は、宍道湖のほとりを散歩してから松江城を見学。ぼてぼて茶を飲んでから小泉八雲記念館を見学。松江堀川地ビール館で地ビールを三種類飲みながら遅い昼飯にシジミ飯と焼き魚の定食を食べました。
その後、武家屋敷と明々庵という茶室を見学し、ぶらぶら歩いて松江駅に戻る途中、國暉という蔵元に寄りました。若社長と思しき人物が対応してくれて、その蔵のお酒をいくつか試飲させてもらいました。
江戸時代の製法で造ったという復刻版「不昧公」という酒が独特の味わいで気に入ったのですが残念ながら品切れとのこと(正確には酒はあるけど、瓶詰めとラベル貼りが済んでいなかった)。日曜日で蔵には(たぶん)若社長以外に誰もいない様子。さすがに今から瓶詰めしてラベル貼ってくれと言うのは気が引けたし、時間も気になったので、おとなしく現行版「不昧公」純米酒を買って引き上げました。試飲したときの印象では現行版も飲み飽きしない良い酒だと感じました。
松江駅でお土産にシジミの佃煮を買い、バスで出雲空港に移動して、飛行機で帰ってきました。

松江は良い町ですね。歴史があって、川が流れて、湖があって、ごみごみしてなくで、飯が美味くて酒も美味い。見て回れなかったところがいくつかあるので、遠からずまた訪ねてみたいと思います・・・。

さて、タヌキの話。初日の夜のことです。

ホテルにチェックインして一息ついたあと、松江の町に繰り出しました。
一軒目はたまたま目に入った串焼き居酒屋。ここは島根の地酒と干物焼きが揃ってました。カマスとノドグロの干物焼きや串焼きを食べながら、王禄、隠岐誉、月山(三つとも島根の地酒)を飲みました。けっこう飲み食いしました。どの酒も美味しかったけど、王禄が好みに合ってました。
二軒目はギネスの生が飲めるダイニングBar。外から見た雰囲気は、おっ、アイリッシュパブか?という感じだったのですが、店内はダイニングBarでした。
お腹減ってなかったので(そりゃそうだ)、ギネスとタラモアデューだけ飲んで早々に引き上げました。
三軒目、「ウィスキーワールド」の記事で気になっていたBarがあったので、そこに向かいました。松江駅前から歩いて10分ぐらい、携帯電話で地図を確認しながら行ったのでほとんど道に迷うことなくたどり着けました。
が、店の入り口に貼紙が。「本日貸し切り」。
ああっ・・・。

気を取り直して他のBarへ。カクテルに力を入れている店でしたが、モルトの品揃えもまずまず。最初にハイランドパークのホットウィスキーを飲み、その後はいつもの調子でモルトを何杯か。良い気分でBarを出たのが12時過ぎ、誰もいない夜道をホテルに向かって歩きました。

しばらく歩くと、前方に道路を渡ろうとしている猫(とそのときは思った)のシルエットが見えました。距離は20メートルぐらい。車が一台向こうからやって来て、猫は道路を渡るのをやめました。
しかし、車が走り去った後もなぜか猫は動こうとしません。
どんどん歩いて近づきますが、それでも猫は動きません。
さっきの車のライトに照らされたシルエットを見たとき、妙に尻尾が太いなとは思いました。
数メートルの距離まで近づきましたが、まだ動きません。
街灯は薄暗かったけどそこまで近づけばはっきりわかりました。
タヌキでした。
さらに近づき、左膝を立てる形でタヌキの前でしゃがみました。手を伸ばせば触れられる距離です。
タヌキはじっと僕の顔を見ています。タヌキの頭に手を伸ばしました。タヌキは逃げませんでした。頭を撫でられながら僕の目をじっと見ています。
(ひょっとして、こいつ、人に馴れているのか)と思った瞬間、突然タヌキが僕の左足に擦り寄って来て、左膝の外側の部分をガブッと噛んできました。
ガブッ?!
何が起きたのか良くわからないまま一秒経過、噛まれているはジーパンの生地だけだなと安心して一秒経過、タヌキが噛んだまま動く様子が無いので困ったなと思って一秒経過。
まあ、実際はもっと短時間だったのかも知れませんが。
とにかく、噛まれっぱなしでいるわけにもいかないので、手のひらで自分の太腿をパンと音を立てて叩いたら、ようやくタヌキがジーパンを離して数十センチ後ずさりしました。でも、まだ手を伸ばせば届く距離です。
タヌキ、僕を見ています。
僕、タヌキを見ています。
ひょっとして餌を期待されているのかなと思いました。でも、食べ物持っていないし、見える範囲にコンビに無いし、そもそも野生のタヌキに餌あげるのが正しいことなのかどうか良くわからないのでそのまま立ち去ることにしました。
数十メートル歩いて角を曲がったとき、タヌキはまだ僕の方を見てました。

駅前のコンビニでお茶を買って、ホテルに戻ってそれを飲み、そのまま寝ました。
何というか、酒飲んだ帰りの夜道でタヌキに出会うなんて、昔話の世界みたいだなと思いました。

後日、何人かの知り合いいこのタヌキの話をしたら、複数の人から「あー、タヌキって噛むらしいね」と言われました。知らなかった。そうだったのか・・・。

というわけで、皆さんも、夜道でタヌキに出会ったら噛まれないよう注意してくださいね。

#旅行

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