『俺に残されている時間は、そう長くはない。』
ドラマや小説でよく目にするこの台詞。
現実の世界ではあまり耳にしたくはない台詞。
けど、
実際この俺にはこの先どのくらいの時間が残されているのだろう。
もしかしたら、
自分が思っているよりも短い時間しか残されていないのかもしれない。
『人生、50年』
いや、
現代なら人生80年程度か。
だとしたら俺は後50年近くの時間があるという事になる。
これを長いと取るか短いと取るかはその人の感じ方しだいだろう。
今の生活が満たされたものであり幸せを感じていて、
この先もずっと続くと思っている人であるならば、
50年と言う時間も短いと感じるだろう。
裕福な人の中には不老不死の薬を求めた歴史もあるくらいだからだ。
それとは別に、
苦難の中であっても志を持って動いている人や、
夢に向かってまい進している人、何かを成し遂げようとしている人にとっても、
この50年と言う時間は短いと感じるかもしれない。
逆に、
満たされ過ぎた今の生活に退屈し切っている人や、
痛苦の中で明日への希望も見出せない人、
日々同じ事の繰り返しで空虚の中にいる人は、
50年と言う歳月は永遠にも近いほどあてどない膨大な時間に、
ただ立ちすくむだけなのかもしれない。
なぜ、人の命の時間には限りがあるのだろう。
きっとそれには何らかの意味があるのだろうけれど、
人はその時間を何に費やす為に与えられたのだろう。
俺が生まれてからの31年は本当にあっという間だった。
通り道や回り道をしながら逃げ道ばかりを探してきたように思う。
だいぶ、時間を無駄に使いすぎた。
『俺に残された時間は、そう長くない。』
この先の50年を『短い』と言い切れるなら、
この台詞は俺にも当てはまる。
上手く使わないと、あっという間に過ぎ去ってしまう。
湯水同様、時間にだって限りはあるのだ。
退屈なんて、している暇などない。