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ブルゴーニュが世界最高のワインであり続ける3つの理由

今回は、これからワインを知りたい方へ向けて、ブルゴーニュが世界最高のワインであり続ける理由を、簡単に書いていこうと思う。

ワイン初心者にとって、あまり馴染みのない語句は可能な限り書かないこととした。ワインを知る人にとって、ごく当たり前に使われるような言葉であっても、初心者には何やら呪文のように感じるものである。そういった語句についての説明は次の機会に触れよう。

さて。
世界最高峰のワインといえば、やはりブルゴーニュワイン。
ブルゴーニュワインの魅力は、なんと言ってもあの小さな土地の中での味わいの違いだ。 ぶどう品種は同じものなのに、何故こうまで違うか?と思わせる魅力がある。この違いは、どこから生まれるのだろう?

1.歴史

ブルゴーニュは、古代ローマ時代に開墾され、中世ヨーロッパにおいてヨーロッパ北部と地中海を結ぶ重要な交易拠点として栄えてきた。その中で、修道士や代々のブルゴーニュ公によって育てられてきたブドウ畑の歴史は、2000年もの長きに渡る。

2015年7月、ブルゴーニュは「人類が2000年をかけて育み世界に普及させた、他に類を見ない傑出したブドウ栽培のビジネスモデル」として世界文化遺産に登録された。

2.気候

ブルゴーニュの気候も、ワイン造りに恩恵をもたらした。ヨーロッパのほぼ中央に位置し、一般的に夏季の気温は30℃前後。しかし夜は涼しく、この寒暖の差がワインにこの地域特有の酸味をもたらす。

日照時間が多いのも特徴だ。

ブルゴーニュのブドウ畑は日当たりの良い南~南東向きの斜面中腹が多い。夏に降り注ぐ陽の光は立派なブドウ樹を育て、冬でもブルゴーニュを優しく包み込む陽の光は、ブドウ樹に霜がつくのを防いでくれる。朝日はブドウに酸味を与え、夕日は渋みを与えてくれる。 それゆえ、ブルゴーニュワインは気候の影響を大きく受ける。

また、赤ワインと白ワインの良ヴィンテージがそれぞれ異なるのは必要な気候条件が微妙に異なるためであり、赤ワインのピノ・ノワールは陽の光によって酸味を生み、極上の香りを生みだす一方で、白ワインはフルーティーさを造りだすために、ある程度の気温が必要となってくる。

3.風土

複雑さに富んだ地形は、大陸的な気候と地中海や北部海洋の気候をも併せ持ち、それによって同じ品種でありながら、畑が3m離れると違う味になるくらい多種多様なワインが生まれ、ワインラバーたちを虜にして止まない。

ブルゴーニュ好きは畑を見るだけで喜びに湧く。
グランクリュ街道は歩いても楽しい。

現地の人はそうでないかもしれないが、旅行者にとってはなんとなく一箇所に集約しているようで他の地域よりも楽しめるのがいい。また視界が開けていることからも気分が高揚してくる。

春先の雰囲気もいいが、畑の美しさは秋の収穫後の黄色に輝いた葉たちだ。まさにブルゴーニュの名称コートドール(黄金の丘)だ。10月も終盤に訪れたら、もうここの虜になるのは間違いない。

このように、ブルゴーニュの気候や風土、携わってきた人々の長い歴史の中で世界最高峰のワインは生み出される。「辿り着く先はブルゴーニュ」と言われるように、ブルゴーニュワインを深く知ることは、ワインを深く知ることにつながるのだ。

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