本坊酒造コメント
「シングルモルト駒ヶ岳 AGED 9YEARS スモールパッチ」は
信州の冷涼な環境の下で熟成されたモルトウイスキーの中から、
9年以上熟成された原酒数樽を厳選・ヴァッティングして瓶詰めした、
稀少なシングルモルトウイスキーの逸品です。
https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_aged9_small_batch/
【香り】
ホワイトオーク由来の力強いバニラと樽香に、しっかり香るピート。
黄金糖の甘みや蜂蜜の酸味を帯びた甘みに、軽やかなスミレの花とミント。
【味わい】
バナナのトロミを含んだ甘みと、麩菓子のコクのある甘みに
少しだけバター飴のまろやかな甘味をしっかり感じると、
ビターチョコレートのオイリーでビターなコクと炒り豆の香ばしさに変わる。
荒々しいピート感の酸味も舌で感じられる。
【加水後】
香りはピート感が強くなる。
バニラの強さは衰えないが、酸味とバラのフローラルが開き
加水前を印象が少し異なって整っている。
味わいは甘みが引かず穀物様の旨味が出てくる。
コッペパンにバナナと生クリームをサンドした様。
【後味】
カラメル多めのたまごプリンやタマゴボーロと
ブドウ味パナップの香りを帯びた
グリコのカフェゼリーの甘味と苦味がしっとり続く。
【総評】
どうしてもシングルモルト駒ケ岳10年と比べてしまうのは
良くないかもしれないが、かつて飲み親しんだシングルモルト駒ケ岳10年が、
「50%の度数、9年のビンテージ、そして少しピートとシェリー樽控えめ」
で再現された様な強烈に懐かしさを感じられる香り。
味わいはシングルモルト駒ケ岳10年を思い浮かべるが別の方向であり、
バナナの甘みが強め。
全体のマリアージュが整っていないが樽ごとの個性を一瓶に入れたモルト。
個々の実力の高い演奏者達がバラバラに演奏している、
「指揮者不在でまとまってない」が「甘さと美味さがいっぱい」で楽しい。
これこそマルスの醍醐味かもしれない。
そして、これまでの若い駒ケ岳モルトでは感じられなかった、
駒ケ岳のセラーの冷涼感が鼻に残るフィニッシュで感じられる。
あの緑色の鉄扉の中に居るみたい。
あのシングルモルト駒ケ岳10年を知らない方にぜひ味わってほしい。
懐かしく素晴らしい駒ケ岳モルトを2023年の今、
リアルタイムで再現している。今こそ、ぜひ!