本坊酒造コメント
主にブナ科の樹木が生える山地の落葉広葉樹林に生息する
「アイノミドリシジミ」がテーマの本商品は、『森の宝石』と呼ばれるゼフィルスの中でも、
特に美しい金緑色の翅をイメージして、梅酒の熟成に使用した樽で熟成した
ノンピーテッドの原酒を一樽厳選しました。
マルス信州蒸溜所で2015年に蒸留したモルト原酒を
ナチュラルカスクストレングス、ノンチルフィルターで瓶詰した
シングルカスクウイスキーの逸品です。
https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_malt_le_papillon_singlecask_c_brillantinus/
香り
最初にすみれとバラの花(フローラル)と軽いパフュームに
オイリーさが混じり、ニベアクリームを思い浮かべると、
ブランデーの華やかで甘やかな香りとプラムの甘酸っぱさが漂う。
味わい
モルティーな穀物様の甘味の後、強めの酸味が口をギュッと締める。
アルコール度数由来の酸味が引いた後に水割り梅酒様の甘さ、甘酒の甘さと
ホワイトチョコの濃いめの甘味にプラムとイチゴの柔らかな酸味が広がる。
口の中での変化が面白い。
モルティー&スイート、ちょっと甘酸っぱい。
加水後
香りは木香が開き、はちみつの甘酸っぱさに炊きたてご飯や
焼き立てトーストの旨味に変わる。
味わいは強めの酸味が無くなり、水割り梅酒の甘酸っぱさはそのまま。
どころか水割り梅酒がそのもの。ウイスキーらしさを感じなくなる。
ホワイトリカーではなくニューポットで梅果実丸ごと樽内で熟成した
のではないかと思う程に梅酒を感じる。
後味・残り香
栗の毬をフサフサに研いだかの様な優しい栗苦さの甘さの奥に
白色のチューチュー(ポッキンアイス)の香りと味わいが
噛んだビニール感の再現も含めて長く続く。
なんだか懐かしくて面白い。
総評
8年弱の熟成期間のおかげか近年のマルスの未熟さが無くなって、
本当に美味しいと思えるウイスキーに熟成した事を嬉しく感じられる。
今回はしかも梅酒樽という個性を伴っているため、
ニベアクリームのオイリーで複雑な香りから始まるものの、
ウイスキー本来のしっかりした味わいを楽しめて、
なおかつ白色のチューチューに着地するという
樽の影響が面白いモルトに出来上がっている。
ストレートでもナゼか59度の高さは感じにくい上、
加水で梅酒が出過ぎるのでストレートがお勧め。
秋の涼しさを迎えつつも残暑の名残があるこの時期に発売の梅酒樽。
いい季節のボトリングなので、ぜひこの時期(9~10月)に飲みたい。
これまでのマルスが未熟であったにも関わらず1万円強の価格だった事が
価格のベースであった事を踏まえ、最近の物価高騰を考慮すると
中身の美味さと比例して税別1.2万円のこのボトルは安い!
(逆に言うとこれまで発売された未熟なボトルは割高に感じた)
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