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山崎ローヤルクラブ25周年

ローヤルクラブ25周年
「ウイスキーは飲むために作られている。」
貴重と言われそうなボトルでも、理由無く積極的に開けて飲む事を心がけています。

17歳の時に父が他界し、いつまでも健康と命が続く訳では無い事を知って以来、
時間が永久では無い事を常に念頭に置きながら生活する日々、
ウイスキーの楽しみにも重ねている、田舎者のアンチコレクターです。

オークションでも、飲めない程に価格が高騰すると、
「3万越えると、イライラする。南、イライラする。」
まるで「いとうあさこ」風に狂います。
でも「オーケー、オーケー、ネクスツ!」
「いとうあさこ」風に立ち直ります。

ラベルのコメント
このピュアモルトウイスキーは、〈サントリーローヤルクラブ大阪〉の
開店25周年を記念して、山崎蒸溜所の貯蔵原酒の中から選りすぐった、
酒齢25年以上のモルト原酒でつくった特別限定品です。
フルーティで華やかな香味の中に、熟成したミズナラ樽原酒による
「和」の香しさがほのかに漂います。
力強くバランスのとれた味わいと、
豊かで気品あるアフターテイストをじっくりお愉しみください。

※この時代、サントリーはシングルモルトをピュアモルトと表現していた。

香り
ミズナラの伽羅香を伴った「和」の高貴な香りがトップに開き、
すぐにドングリ、桜の木の削りカスや削り立ての鉛筆の様なウッディな香りに、
生キャラメルのネットリとした甘味と、山崎特有のエステル香。
直火蒸溜がもたらす甘酸っぱいベリーやチェリー等のフルーツが元気で、
ホイップクリームに絡んでショートケーキ。
さらにシェリー樽原酒のネットリとした甘味と、ひんやりとした腐葉土の匂いを感じる。
不思議な事に、香りの奥に重〜い昆布の出汁の旨味を強烈に感じる。

味わい
エステリーでビターな味わいの中に、
白く濁っているココナッツミルク様の、オイリーな味わいがストレートに表れていて、
そこに軽い硫黄(卵)が合わさり、
ココナッツミルクで作った甘さ控えめミルクセーキを感じる。
ミルクセーキにはココアパウダーがトッピングされ、コクがある。
そこにベリーとチェリーの甘酸っぱさと、方向の違うオレンジの甘酸っぱさも加わる。
すぐに甘味が引き、重厚な穀物様の香ばしい美味みが余韻へと導いて行く。
ほろ苦い大人の味わい。

加水後の味わい
香りにバニラを伴ったバレルの古木感と、梅樹液と仁のエステル香がにじみ出てくる。
味わいには軽くフルーティーな酸味があるものの、ひたすらにビターで、
ビターチョコに軽く含まれている甘味に後ろ髪を引かれる様。

後味
ココナッツの油脂成分と、アーモンドスライスが乗ったクッキーの
オイリーで香ばしいフィニッシュが長く続く。
さらにグラスには練乳入り黒糖ココアの甘くビターな香りが残る。

総評
AgeUnknownを知ってしまったために、イレギュラーな山崎25年には、
並ならぬ期待を抱いてしまうのは、結果的に良くなかった。
熟成年数を知らずに飲めば、美味しさだけを感じるのだろうけれど、
山崎1984を飲んだ時と同じ様に、
濃厚な深い味わいを欲してしまう感じの物足りなさがある。
アルコール度数は同じなのに。

オフィシャル山崎25年から熟々の甘酸っぱさを引いて、
ミズナラのドレッシングをドバッと振り掛けた様な、
ビターで、安定感のある芳醇な香りと味わい。大人の味。

懐を気にせず、こういうウイスキーを遠慮なく飲める紳士になりたい。

#山崎

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