ボトラーコメントに期待をして購入したモルトウイスキー。
1985〜2009年 24年
46.7% Cask No.5493
ボトラーコメント
ベンリアック1985は年数以上に熟成感があり、南国フルーツが炸裂しています。
香りはバニラ、バナナ、柿、香木、綿で、
味はマンゴープリン、バニラシュークリーム、グレープフルーツです。
80年代でこれほどの素晴らしいフルーティさ、凝縮された旨みには滅多に出会えません!
ラベルコメント
1965年に生産が再開された蒸留所で、
逸品なスペイサイドモルトの素晴らしい可能性が引き出されている。
昔ながらのスペイサイドのフルーティーなアロマが最初に現れる。
その背後にはリッチなバニラやスモーキーさもやや感じられる。
味わいは柑橘系やバニラが層になって現れる。うまく構成されたドラムである。
ホワイトチョコレートやすっきりとしたスパイス感があり、それが徐々に消えていく。
香り
マールと同じ焦げ臭と、クレヨンの油分のネガティブな香りを一瞬感じた後、
はっきりと主張するエステルの中に、桃を発酵させて作った天然酵母の酸味と香ばしさ。
人工的なバナナ香料を使った乳飲料のベタなバナナオレの香りに、アケビの実の澱粉質。
そしてオレンジピールのほろ苦い酸味の香りとバニラビーンズの甘い香りが漂う。
やがて軽いパフュームを帯びたこってりしたバターライスに、
経年熟成で変化つつあるピート香の、酸味がありフルーティー
(オレンジ、レモン、リンゴ、パッションフルーツ、パイナップル)で
美しい香りが絡み合い、旨味ある美味さとなって香り出す。
遠ざけて香ると、乾燥した針葉樹木とホワイトチョコレート。
味わい
ホワイトロリータ(ブルボンのお菓子)の甘味、
ネーブル(オレンジ)ソース掛けの牛乳プリンの爽やかな甘味、
しっかり焼かれて香ばしいシューのバニラシュークリームの甘味、
さらに黄金糖(国産の飴)の甘味といった様々な甘味を感じた後に、
柑橘のワタの渋味と紅茶のタンニンのほろ苦さに変わってゆく。
加水後
香りにはベタな甘味が薄くなり、エステルが引き立ち、
柑橘のフローラルな香りと軽いゴムになる。
すっきりした甘味になったかと思うと、じわじわコッテリした甘味が帰ってきて、
オレンジソースとホワイトチョコの甘味が湧いてくる。
後味
鉄臭さが微妙に残るが、フレッシュな桃の甘味、
缶詰めのミカンのフルーティーな甘味がしっかり残って楽しい。
総評
酵母の臭い強くが残っているのは、良いのか悪いのかの判断に悩むが、
後から出てくるバターとフルーツの香りが、力強く無く優しく漂い、美味しい。
甘いウイスキーが好きな僕には好みの味。
逆を言えばシングルカスクでありながらブレンデッドモルト程に完成度が高く、
優等生過ぎて、個性的な刺激や面白味といった遊び心を欲してしまう。
「焼き立てパンとのマリアージュ」なんてしたら、楽しそうなモルトウイスキー。
#malt