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ザ・リムーバー35年

先日、参加させていただいた「猫バー山崎蒸留所ツアー」の集合時に、
守口市にあるバーのマスターから、とても興味深いモルトの
貴重なサンプルを分けていただいた。

(photo by Dr.てんまさん)
そう、その名も「ザ・リムーバー35年」!

プロフェッショナルなみなさまの評判が上々で、「絶対に飲んでおかねば!」
と、ず〜っと思っていたけれど、まさかコレを手にする時が来るとは…、

夢にも思いたくありませんでした!

なんて冗談です。(笑)
では、早速♪

香り
(シーバス系?)富士御殿場モルトや山崎のオフィシャル18年に通ずる、
リンゴやナッツ系のエステルのコッテリした香りを、
緑茶のタンニンで絞り出した様な感じ、辛みの予感もある。
また熟成年数も長いというのが分かる。
(えっ、そんなに悪くなさそうだけど…?)

味わい
え…、え〜っと、う〜ん、何?!
はぁ〜、ぬぉー!
ナハ、ナハハハハハ〜(笑)
(目を塞いで、うなだれたかと思えば、
 とある芸人が3の倍数を数えた様な感じの体勢になる。)

参りました!
降参です。(笑)

でも再度、気持ちを落ち着かせ、真面目に向き合うと…。
梅干しを紫蘇と一緒のまま、鷹の爪や木の皮と一緒に「水だし」にして、
悪戯か、海水を少し足してエグ味を出した残り水。
仁(果物の固い種の中の柔らかい部分)の強烈な渋味を感じつつも、
コーヒーの搾りかすの苦みとコクも加え、ワカメ汁。
軽くサルファーも感じつつ、ウッディで、結局コレは何ですか?という感じ。

後味
イチゴの葉っぱと実の間の白い部分なんだけど、
まだ熟れていない青いイチゴのそれ。そして木の皮の苦み。
ただし、香りを鼻に残しておけば、わずかにフルーツを感じられる。

総評
「甘味、フルーツ、スモーキー、クリーミー、スパイシー、
 バニラ、チョコレート、フェノール、モルティー等々」という
美味しいモルトに必要な部分を全部取り除いて、
「エステル、タンニンとその旨みだけにすると、こんなモルトになるぜ!
お前には飲めるか?」と意味不明に自信満々に主張しているモルト。

兎に角エステルが強いんだけど、以前に飲んだ、
強烈にエステルが強い、山崎オーナズカスク1996年(10年物)程に強くないので、
それ程にビックリもしなかった。
やはりこのモルトの個性は「強烈なタンニン」。

いやいや、もっとタンニンの渋いモルトもあるのかな〜。
だとすれば、エステルとのバランスが悪いだけのモルト???

お金を出してフルボトルを購入するか?と聞かれれば、「Yes」とは応えられないけれど、
赤ワインを全く飲めなかった頃を思い出すし、
美味い、美味くないは別として、勉強会に出される貴重な変則モルトと言われれば、
それはそれで納得できる。

いまだに理解できていない、白州25年よりもずっと明快な主張を感じられる。

ただ、美味しいウイスキーを楽しむという、原点に戻って考えれば、
やっぱり「Yes」とは応えられない。

でも、ザ・リムーバー35年はしっかりした「何か」を持っている分、
過去最低と感じた「南アルプスのピュアモルト」よりも飲みやすい。
あれはどんなに美味しく無いモルトだったんだ!?(笑)

そうだな〜、ウィークデーのウイスキーが飲みたくなったランチの後に、
少量のコレを飲めば、「ごめん、悪かった、ちゃんと仕事するよ。」と反省して、
夜のウイスキーを楽しむために、改めて仕事に取り組める。
そのためのウイスキー。ちゃんと、真面目に美味しいウイスキーを飲みたくなる。

という訳で、いただいたサンプルはあっという間に飲み干してしまった。
Dr.てんまさん、ごめんね。僕、コレ飲めますわ〜。
美味しいとは言えないけど。(笑)

#malt

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