MENU

【Day 3】キャンベルタウン・モルト・ウイスキー・フェスティバル

2017.05.26

 さあ3日間に渡るキャンベルタウンフェスも今日が最終日。参加者の中には、翌日から始まるアイラフェスとフェスティバルをはしごする人も少なくなく、ぽつぽつと移動を始める人なんかもいるわけなんですが、そんな本日はグレンガイル蒸溜所のオープンデー。私は13時45分からのテイスティングイベントを取っていたのですが、それまでは特にすることもない。かといって日がなホステルでダラダラしているのもあんまりなので、連日の飲み過ぎで重くなった体を引きずりながら、グレンガイル蒸溜所へ向かいます。


(昨日に引き続きいい天気!雲ひとつないわさ!)


(オープンデイだというのにまだ誰もいない)

 上の写真を取ったのは10時半ごろのこと。この日のグレンガイルは11時オープンということだったのだが、それにしても誰もいない。ホントにここであってんのか不安になりながらもしばらく周りをふらふらします。

(片隅で見かけたイカス顔出しパネル。誰が撮んねん)

(グレンガイルとスプリングバンクのちょうど間に挟まれるような位置関係でウェアハウスが立ち並んでいる)

 しばらくふらふらしている間に、ぽつぽつ人も集まってきた様子。所内には、昨日のスプリングバンクでも出店していた、いくつかのブースやオープンバーもスタートしていて、その辺で朝っぱらからカスクストレングスのウイスキーをいっぱい手に取り、太陽さんさんの下でそいつをちびちびやるのである。ちょうど同じ宿に宿泊していたドイツ人2人組も私と同じようにふらふらしており、3人で椅子を占領してはあーだこーだ言って時間を潰します。

 そうこうしていると、蒸溜所職員の方が「そろそろツアーやるよ!参加者はカモーン!」みたいに声をかけて、ならばせっかくだし行こうかな、とガイドさんについていきます。

 ツアー自体は完全にフリー。時間になり適当な人数が集まったら生産棟へと向かいます。

(まず向かうはミルルームから)

(かっちょええ木目調のマシーンです)

 前回私がこの蒸溜所を訪れた際、取ったツアーではミルルームには入らなかったので、思えばグレンガイルのミルマシーンを見るのは今回が初めてでした。見慣れたポーテウス社の赤いやつでないのが、少しく新鮮ですね。


(上のフロアには全ての生産設備がぎゅっと。左手前で輝くマッシュタンに、右手壁沿いに並ぶウォッシュバック。そして最奥には2基の神々しいスチルである)

(ウォッシュバックは計4槽)

(レトロな雰囲気の漂うスピリットセーフ)


(そして神々しいスチルである)

 1872年創業。1925年に閉鎖してから実に79年もの間沈黙を保っていた蒸留所を、スプリングバンクのオーナー、ヘドリー・ライト氏が2004年に復活させたのには、単に幅のあるウイスキー造りや生産力増強のためではありません。1998年、Scotch Whisky Association(SWA)は一つの大きな決断をします。それは、キャンベルタウンをスコッチウイスキーの生産地の一つとして数えるのをやめるということ。理由は簡単。当時のキャンベルタウンには蒸溜所が2つしかなく、生産地として数えるにはあまりに小さいからです。全盛期は30を超える蒸溜所が存在した伝統あるキャンベルタウンモルトが、このままでは消えてしまう。その火を絶やさぬために、ライト氏は2000年に現在のグレンガイル蒸溜所の建物と設備を購入。2004年には見事に復活させたというわけです。3つあればね。当時はローランドも3つしかなかったですし。SWAも認めざるを得ないというか。こうしてライト氏の信念と経済力によって、今もまだキャンベルタウンの火は灯されているわけです。感動的ですね。

 そんな話を聞きながら一行は外へ。蒸溜所の裏手へ向かいます。そこにはお目当のアレが!

(お目当のアレ)

 キルケランのラベルにもデザインされている、キャンベルタウンのランドマークの時計塔。蒸溜所の裏手には、そのラベルを模したフレームが嵌め込まれており、ラベルとおんなじアングルで写真が撮れるようになっているのだ!ようく見ると、奥にある山の稜線なんかもそのまんまですね。しばし、わーきゃー言って聖地巡礼感を楽しんで、無事ツアーは終了。今度は予約していたテイスティングイベントへ向かいます。

#Glengyle

この記事を書いた人