2016.5.21~
成田を出国後、まず向かうはスコットランドはアイラ島。実に4年ぶりの上陸に、私のテンションはのっけからピーク。出国前の緊張やら、英語のストレスなんかもアイラフェスの熱気の前では一気に雲散です。5日間に及ぶフェス滞在は、その後アイルランドに向かわなくてはいけない私の足を重くするには十分の楽しさ。もういいじゃない。フェスだけ楽しんで帰国しましょうよ。みたいな気分に陥りましたが、今回のアイラフェスは、あくまでアイルランド移住の前哨戦。後ろ髪を引かれまくりながらも、エアリンガスでグラスゴーからダブリンへ向かいます。
(待ってろよアイルランド!)
ダブリン到着後、まずしなくてはいけないのは生活の拠点を築く、ということ。バックパッカーならば、その日その日で宿を取ればいいのだけれど、さすがに今回はそういうわけにはいかない。アパートを借りて、住民票をとって、外国人登録をして、職を見つけて、とやらなきゃいけないことはたくさんあって、つまりこれが生活するってと。優先度の高いところから、まずは住居の確保である。
ダブリン到着後、当日は空港泊、その後シティセンターのホステルを2泊だけ予約していた。つまりこの3日の間に住居を確定させないと、ホステル代だけがどんどんかさんでしまう。お金さえあれば、ホステル住まいや、ホームステイなんて手もあったのだけれど、性来の貧乏性ゆえなるべくお金のかからない方法を模索してしまう。ましてや、仕事なんかもいつ見つかるかわからない状態。無駄金は使わないに限るのです。
そこで私が取ったのがルームシェアという方法。アイルランドでは一般的な住まいのあり方で、当然一人で住むより格安で暮らすことができる。部屋探しの方法も充実しており、中でも daft.ie という部屋探しサイトは有名で、ほとんどこのサイト一つで全て事足りるくらい。私も、日本出国前からこのサイトをチェックし、何件かメールを送ったりとかしたのだけれど、部屋を借りるには内見や面接が必須で、最終的にはこちらに来るまで決めることができなかったのだ。
そういうわけで到着後。空港のロビーの一席を確保してから、それまでやりとりをしていた方に連絡。「いまダブリンついたよ!明日の14時くらいに内見行きたいんだけどいい?」「オッケー。なんなら今からでもいいよ」「いや、今夜はギネスと一緒にいるって決めてるんだソーリー」「はは。じゃあ明日!」なんて、とってもスムーズに内見予約まで取れてしまう。ダブリンでの部屋探しはとても難しいと聞いていて、運が悪いと3ヶ月とかかかることもあるらしい。私も、もしダブリンで見つからなかったらさっさとコークなりキラーニーなりに行ってしまおう、と考えていたのだが、やはりできればダブリンがいい。仕事も見つかりやすいだろうし。そのためにはこの物件にフラれるわけにはいかないのだ。しかし、語学力は相変わらずだし、そもそもルームシェアなんて初めてだし、海外だし、なにをすればいいのやら。仕方ない。とりあえずは飲もう。と、空港のパブでギネスをやっつけて、夜を明かします。
(アイルランド生活、記念すべき1泊目は空港です)
そして翌日。結局空港を出たのは朝9時過ぎ。シティセンターに到着してからは、まずはこれをやらないと、とカフェでアイリッシュブレックファストなんかを食べ、昼前にはホステルにチェックインし荷物を預け、街をふらふらと散歩してから、そのままパブへ。
この日はとても天気が良かった。アイルランドも、スコットランドと同じく基本的に天気は悪い。いわゆるアイリッシュウェザーってやつで、朝家を出るときには晴れていても、目的地に到着する頃には雨なんて天気が通常で、そういう意味でこの日は珍しく一日中綺麗に晴れ渡っていた。
(ダブリンを南北に分断するリフィー川)
(多くの観光客で賑わうテンプルバーエリア)
これから面接だし、あんまり良くないかなと思って我慢をしていたのですが、あまりの天気の良さについついパブに入ってしまいます。
(暑い日はやっぱりサイダーですよね〜)
ええい。ちょっとくらい酒が入った方がコミュニケーションも円滑になるってもんだ。下手に飾りたてるより、これくらいの方が面接相手もフレンドリーに接してくれるだろう、と自分に都合のいい解釈でほろ酔いになり、いざ面接です。
面接時は、とりあえず語学力の無さをコミュニケーション力でなんとかしようと、拙い英語やらで冗談を言ったり、わかんないとこは辞書引いたりしながらなんとかやった。これが功を奏したのか、無事に新しいルームメイトとして私を迎えてくれることになった。後日、私を取ったルームメイトに確認したところ「いや、こいつ英語一つも分かってないなって思ったよ。でも面白そうだったから」と。英語がわからなくてもなんとかなるものである。
まぁなにはなくとも、とてもスムーズに部屋が決まって一安心。2部屋のアパートを4人でシェア。私以外には、アイリッシュとイタリアンが2人というメンバー。このメンバーはすぐに入れ替わってしまい、一瞬、ベレズエラからの女のコがいたことなんかもあった。しかし、私と部屋を共有していたアイリッシュのデイビッドは、私が帰国するまでずっと一緒だった。そこへ、私よりひと月ほど後に入ってきたノーザンアイリッシュのアレックス、さらにその後にきたブラジリアンのフェリペってメンバーが一番長い組み合わせだった。皆フレンドリーで個性的で、無茶苦茶なところや文句を言い合うこともありながら、お互いを尊重して共同生活を送っておりました。楽しかったなー。
無事部屋が決まったので、次回は移住の事務作業の様子や、仕事が見つかるまでの奮闘っぷりを。もう少しだけお伝えします。
(リビング。これは新しいルームメイトを迎える広告を daft に出すためにちょー綺麗に掃除した時の写真。20後半の男が4人で住んでいるのだから、普段の様子は推して知るべしである)