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092. アードベッグ / Ardbeg(蒸留所編)

2012.05.28

 キルダルトンクロスの見学を終えた私は、いま来た道を戻り始めます。特に急ぐスケジュールでもないのでゆっくり進んだのですが、12時前にはアードベッグに戻ってくることが出来ました。


(来たぞアードベッグ!)

 アードベッグは数ある蒸留所の中でも個人的に好きな蒸留所の一つ。ロゴマークを見るだけでも、テンションがあがっていきます。

(看板を曲がってゆるやかに下っていく道の先に蒸留所はあります)

(ポットスチルのオブジェがお出迎え。左手にみえる二つのパゴダ屋根の下は現在「オールド・キルン・カフェ」というカフェやビジターセンターになっている)

 わくわくしながらビジターセンターに突入。ツアーの予約をしようとしたのですが、さすがのフェス期間。次回のツアーはフルブックだと言われてしまい、次回のツアーを予約しようとするも次回のは2時間後の14時から。その上、その時間のツアーは通常のツアーより少し良いツアーしか履行しておらず、なんと参加費だけで20£もかかってしまう。うむむ。これはいいツアーだ。どうしたものかと思いつつも、折角の機会だ、ここはケチるところでもあるまい、と予約を済ませ、時間つぶしがてらに所内をうろちょろします。


(ローラーコースターな樽のオブジェ)


(ピートを運ぶための手押し車も)

(蒸留所の裏側から)

(所内からは冷却などに使われた水を海へ流すためのパイプが走っており、そのパイプの先からは温まった海水が湯気をたてていた)

(そしてこの壁面!これはテンションあがる!)

 しばらくうろちょろしますが、流石に2時間は時間が潰せない。カフェでお茶でも、と思ってもいたのだが、やはりフェス期間中ということでしょう。常に満席でゆっくりできそうもない。仕方がないので表のベンチで、同じく退屈そうにしているおっちゃんと世間話などしつつツアーの時間を待ちます。

 そして遂に時間になり、ガイドのお姉ちゃんにつれられて中へ入っていきます。

(最初は蒸留所の歴史などを聞きます。なかなか経営が安定せず、何度となく生産中止に追い込まれてきた蒸留所だけに、歴史も聞きごたえがあります)

(かつてはフロアモルティングが行われていた(?)フロア。右手に並ぶ筋力トレーニングの器具にお気づきでしょうか。現在は従業員のためのジムになっている。所内にこんな器具が揃っている蒸留所も珍しい)

 ガイドさんの説明も終わりに近づいた頃「それではこちらのモルトをテイスティングしてみましょう」みたいな感じで、お姉さんがミニボトルからグラスに人数分用意していきます。
 アードベッグと言えば、色々とユニークで遊びのあるボトルも有名ですが、ちらっと見えたラベルが、普段飲むような黒色ではなく、白っぽいラベル。これはコミッティーとかのボトルか!?と俄に盛り上がりましたが、実際にボトルを見せてもらってびっくり。

(どどーん。キルダルトンー)

 まさかキルダルトンなんかツアーで飲めるとは思ってもいなかったので興奮しきり。あのアードベッグがノンピートで仕込んだボトルで、アルコール感はほとんど無く、フレッシュな緑茶のような爽やかな香りが印象的でした。もう一気にツアー代の20£を回収した気分。美味しかったー。

 次の部屋では樽の説明を受けます。

(右手側のがいわゆる「アリゲーター・チャー」された樽材)

 ここでお客さんがガイドさんに「アードベッグ・テンってどんくらいピート炊いてるの?」と質問していた。55ppmとかよく言われるが、ガイドさんの回答はそんなに高くなく20数ppmくらい、と説明していたように感じる。さすがに情報が違いすぎるので、私の英語力がどれほど信用ならないものかを再確認しながら次のフロアへ進みます。


(こちらのフロアはかつて麦芽を貯蔵していたというフロア)

(乾燥なんかもやっていたのか、そういう説明もされたような気がするのですが、例によって正確な英語の理解が出来ていないので、話半分に聞いてください)

(そしてモルトビンからモルトミルへ)

(続いてマッシュタン。ステンレス製です)

(ぐーるぐーる)

(どういうわけか、壁面には漫画が飾られていた)

(ウォッシュバックは木製のが6槽)

(ウォッシュバックはでかい。高い)

(そしてスチルハウスへ)

(スチルは最小の2基)

(どちらもランタンヘッド型)

(初留釜のネックにはアイラ島で唯一ピュアリファイアーが取り付けられている)

(スピリットセーフ。「Intermediate Spirit Receiver」)

 さて、見所たくさんの所内ツアーを終えて建物の外へ。青空の下、海にのびる桟橋へと進みます。

(ARDBEGの文字をバックに炎天下で試飲開始です)

(試飲も豪勢に5点。ブラスダにアリーナムビースト、ウーガダール、さらにはシェリー樽とバーボン樽のカスクサンプルまで)

(ウイスキーの匂いにつられてか白鳥も寄ってきます。随分と人懐っこい白鳥でした)

 もう飲みたい放題飲んですっかり酔っぱらい。アードベッグはフェスの最終日にオープンデイを迎えるので、その時にもう一度来ることを誓って、2時間の充実したツアーを後にします。

(遠目から見るアードベッグのウェアハウス。そういえばウェアハウスは見学できなかったな)
 

#Ardbeg

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