2012.04.23
ブローラの町から一旦ウィックへ戻り、そこからバスで、フェリー乗り場のあるサーゾの町外れ、スクラブスターを目指します。
余談ではあるけれど、この時のブローラ→ウィックへのバスが今までで一番遅れたバスだった。20分は遅れただろうか。途中のダンブリースという場所で乗り換えが必要だったのだが、その乗り換えのバスが待てど暮らせど来やしない。
この路線はしっかりと接続しているらしく、我々をブローラからダンブリースまで乗せてきた運転手さんも、接続のバスが来ないのを困っているようだった。
そしてようやく来たウィック行きのバスの運転手さんのテンションが高い高い。おばちゃん運転手だったのだが、我々乗り継ぎの乗客を乗せるや否や、何も訊いてないにもかかわらず自分から「インヴァネスで5人の乗客をピックアップしなきゃダメだったんだけど、うんたらかんたら」とやけにハイなテンションで遅れた理由をまくしたて、挙句「飛ばすわよ」と言ったかどうかは知らないけど、そんな感じで、山道をとてつもない速度で飛ばす飛ばす。ドアもガタガタ言い出すほどで、途中、スコール的に降ってきた大雨もなんのその。スピードを緩めずに突っ走って、こりゃ、こっちのバスはアトラクションだわ、と感じた。思わずシートベルト締めましたもの。
そうこうするうちにウィックへ到着。誰も停車ボタンを押していないにも関わらず「誰もここでは降りないのねー!?」と大声で叫ぶので、私も「降ります降ります」みたいな感じで降ろしてもらう。いやぁ。無事で良かった。
その後、未練たらたらにオールド・プルトニーの蒸留所へ再び。フェリーの時間などを考えると、そもそもそんな時間はなかったのだが、せめて一目でも見せてもらえないかな、と急ぎ足でビジターセンターへ。
ビジターセンター自体のオープンが16時までで、到着したのがその10分前。終業間近に飛び込んできたアジア人に驚いた顔の受付のお姉ちゃん。余談だけど、今までの蒸留所で出会った誰よりも可愛い娘さんだった。「ツアーできない?」とナンパ・ボーイな雰囲気を出しながら訊ねるも「ツアーは時間制で11時と14時の二回しかやっていないのよ」と断られてしまう。しょんぼりしていると、そんな私の様子を見かねてか「試飲する?」と一杯飲ませてくれた。ビジターセンター内の展示も思っていたよりしっかりしていて、時間があればゆっくり見たかったのだが、バスの時間も迫っていたので、早々にお礼を言って後にする。
さて、ウィックからサーゾまではバスで行く予定なのだが、私としたことが、そのバス停の位置を調べるのを失念しており、場所が分からない。
まぁなんとかなるだろう、と思って町を歩いていたのだが、心当たりのバス停が全てサーゾ方面行きのバスは来ないということが発覚して、一気に汗が出る。
やばいやばい、時間がない!ってことで街中に設置されていた地図をバスのタイムテーブルを交互に眺めながら、焦りはつのるばかり。ちょうど通りかかった若者に、タイムテーブルを見せながら「このバスに乗りたいんだけど、バス停どこ!?」と訊ねるも、なんとなーく曖昧な感じの答えしか得られずに、しかし、いまはその曖昧さにすがるしかない、と指し示された方へ急ぐ。
もうバスの時間まで5分を切っている。定刻通りに来るとも思えないが、このバスを逃したらフェリーにも間に合わないことになってしまうので、気が気ではない。
焦りながら、若者に訊いた場所へ向かう途中、一台のバスが正面からやってくる。目的のバス番号とは違えど、向かうべき方角はサーゾと同じ。これは最後のチャンスかもしれん、と思わずそのバスを強引に止めて、運転手さんにタイムテーブルを見せつける。「サーゾに行きたいんだ!」というと「このバスはサーゾなんて行かないぞ」と言った上で、私のタイムテーブルを奪って駅を確認し、出発するバス停の位置を説明してくれた。
が、私にはその説明が理解できなかったのだ。運転手のおっちゃんは親切に教えてくれたのだが、私には英語が聞き取れなかった。するとおっちゃんは「座ってろ」と私を自分の運転するバスに乗せて、出発してしまう。
不安がピーク、みたいな表情をしていると、目的のバス停はホントにすぐそこだったようで(ただ、表通りの裏手で分かりづらい場所だった)、1分もしないうちに到着。「ここで待ってろ。82番のバスだぞ」と降ろしてくれる。財布を取り出すも「ノー」と言って、ドアを閉じると、片手を挙げて出発していった。
私が迷惑な観光客であることは間違いないのだが、そんな私のためにこんな優しい心配りをしてくれて、本当に感謝するばかり。スコティッシュの温かさに触れました。
目的のバスは、ほぼ定刻通りに来て、そのまま順調にサーゾまで。
このバスでも、降りるタイミングを逃して最後の乗客になってしまった私の為に、わざわざバスを停車させて、私を振り返り「どこまで行きたいんだ?」と確認してくれる。「フェリーターミナルまで」と言うと、道の分岐するところまで乗せていってくれ「この道」と指差して降ろしてくれる。
「サンキュー」と言って降りると「グッドラック!」と親指を立ててくれた。もう、この国大好き。ちょーかっけー。そんな気持ちで、てくてくと歩くこと30分ほど。ようやく目的のフェリーターミナルが見えてまいりました。
(見えてきたフェリーターミナル)
徒歩でフェリーターミナル入りする人もそんなにいないようで、私の横を車がびゅんびゅん通り過ぎていく中「Foot Passenger」用の入り口へ急ぐ。
ネットで取ってプリントアウトしていた用紙をパスポートと共にカウンターで見せて、チェックインは完了。無事チェックインできるか心配だったけど、なんの問題も無かった。
(フェリーの待合室)
時間になり、遂に乗船。
(わくわく)
(ショップも入っています)
(ゲームコーナーもあります)
(バーだってあります)
(レストランだってありますよ)
せっかくだから、なにか食べようと思うも、注文の仕方が分からない。しばらく、他のお客さんの様子を眺めてみるも、あまりよく分からなかったので、その辺に立っていたスタッフと思しき人をつかまえて「Please tell me, how to order」ってやったら「オーケー」って丁寧に教えてくれた。この日はスコティッシュの親切に甘えっぱなしである。
(このフィッシュ&チップスがおいしかった!ケーキは「おまけだよ」ってことでもらったのだけれど、ものっすごい濃厚でお腹ぱんぱん)
(せっかくなので甲板にも立ちましたよ)
(波を蹴飛ばして進みます)
(オークニー諸島の一つホイ島の脇を通ってメインランドに向かいます)
そんなこんなで1時間ほどかけてストロムネスの港に到着です。
(ストロムネスに到着したのは19時過ぎ)
フェリー乗り場から歩いて30分足らずのB&Bへ到着。長い移動を終えて、今日はゆっくりと休みます。
(この日のB&Bはこの旅で唯一浴槽があった。しかもアヒル浮いているし。足を伸ばしてゆっくりリラックスして明日に備えます)