2012.04.19
ティーニニック蒸留所を足早に後にした後は、再びアルネスのハイ・ストリートを東へ。幹線道路 B817沿いをひたすら東進します。
グーグルマップ先生によると、徒歩で1時間半ほどの道程。軽装での移動なら苦にもならないような距離だけれど、この日は移動日。大きなバッグパックを担いでの移動は中々きつく、あまつさえ雨が降ってくる。
雨の多いこの国では、多少の雨では傘を差さずにフード被ったり肩をすくめたりしてやり過ごすのが一般的なので、私もそれに倣ってレインウェアのフードとザックカバーだけでしばらく歩く。雨の質も東京とは違うようで、不思議と傘を差さないでも「濡れない雨」のような印象を受けた。
(途中には「いちめんのなのはな」が広がっていた)
しかし、雨脚はどんどん強くなる一方。こりゃそろそろ、と思って折り畳み傘を取り出して差したら、思っていた以上に傘を打つ雨音が激しく、これじゃあフードだけでは防ぎきれんわ、とか思った。
そして、傘を差してしまったことによって、道程はさらに険しさを増す。バックパックの重みは容赦なく両肩にのしかかり、一歩ごとに悲鳴をあげている。雨を避けようと自然と顔はうつむきがちになり、自然と悲愴な雰囲気になってしまい、かなり厳しい道程だった。
結局2時間もしただろうか。インヴァーゴードンの町を通過して、そろそろ見えてくるか、というかそろそろ見えてこないと、ホントに諦めて踵を返そう、とか考え始めた頃に看板が見えてくる。
(ホワイト&マッカイのロゴがどどーんと)
この看板を目印に左へ曲がると、ほどなく巨大な工場が姿を現します。
(どどーん)
(いままでの蒸留所とは明らかに桁違いの大きさ。そして無骨さ。まさしく「工場」といった趣でした)
かつてはベンウィヴィスというモルトを製造していた期間もありますが、その操業期間はわずか12年。しかもその全てはブレンド用に回されていたので、現在ベンウィヴィス産のモルトは最も手に入りにくいシングルモルトの一つだろう。現在はホワイト&マッカイを中心としたグレーンウイスキーの製造のみを行っています。
苦労して辿り着いたものの、当然ノービジター。入り口の辺りでふらふらしている間にも、巨大なタンクローリーが何台も出入りしており、さすがに部外者が入るのは躊躇われる雰囲気。詰め所にいるおっちゃんもなにやら訝しげにこちらを窺っていることですし、疲労も手伝って早々に退散。インヴァーゴードンの町へ引き返すと、今夜の宿があるテインへバスで向かいます。
(ふらふらの体で辿り着いたテインの町。とりあえずパブのあるホテルへ入って一杯)
そして今夜の宿はなんと個室!いわゆるB&Bってやつです。
(なんと立派な個室!!)
一度ベッドに寝転がってしまったら、もうどこにも行ける気がしなくなって、この日はそのまま部屋でぐだぐだと明日以降の予定をつめる作業に終始することになりました。
#Invergordon(Ben Wyvis)