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はやぶさ”帰還”

昨日はワールドカップより”はやぶさ”が気になっていたKWC企画世話人です。
ちょっと興奮しているので、めちゃめちゃ長文です。ご注意ください。

はやぶさは健気です。数々の世界初の偉業を成し遂げ、故障しても故障しても故障しても、その状態を常に地上に送り、指示を仰ぎながら、あるいは、自らの判断で飛行を続け、イトカワの砂塵を採取し、地球に帰ろうと必死に飛行を続けてきました。これをロマンと呼ばずしてなんと言いましょう。

次はKWC企画世話人によるイトカワ着陸・離脱・その後に関する妄想です。もちろん、”はやぶさ”は無人探査機です。

地上管制:イトカワに88万人の名前が記されたターゲットマーカーを発射せよ。
はやぶさ:了解。無事発射。
地上管制:探査機ミネルヴァを発射せよ。
はやぶさ:了解。無事発射。
      あれ、着陸しません!着陸しません。
地上管制:分離タイミングを誤った模様。
はやぶさ:わたしのミスですか?すみません。
地上管制:どちらのミスかは不明。いまは着陸準備に集中せよ。
はやぶさ:了解。
地上管制:イトカワに着陸せよ。
はやぶさ:了解。いまから着陸します。
はやぶさ:イテ。ちょっとこけました。
地上管制:被害状況を報告せよ。
はやぶさ:バウンドしたので、あちこち痛いです。
地上管制:まずは一旦離陸し、状況を報告せよ。
はやぶさ:了解です。
地上管制:再度着陸せよ。
はやぶさ:了解。今度も成功。でも、あちこち痛いです。
      血も出ています。
地上管制:ターゲットマーカーを確認せよ。
はやぶさ:見えます。88万人の思いは、27億km離れたイトカワに着きました。
地上管制:石は入っているか?
はやぶさ:わかりません。砂塵の可能性ならあります。
地上管制:よし、離陸せよ。
はやぶさ:了解。離陸します。姿勢制御できません。
       くるくる回ります。目が回ります。
       出血が止まりません。痛いです。
       目が回ります。痛いです。。。。。
       出血が止まりません。痛いです。
       目が回ります。痛いです。。。。。
地上管制:はやぶさ~

そして、1ヶ月半の音沙汰なしの状態から、彼は復活したのです。そして、その後3年以上かけて地球に戻ってきました。

はやぶさ:はやぶさです。
地上管制:無事か?
はやぶさ:目が回ります。血はとまりました。でも、残りも少ないです。
地上管制:よし、イオンエンジンを姿勢制御に使え。
はやぶさ:そんなことしたら、地球に戻れません。
地上管制:大丈夫。我々がなんとかする!
はやぶさ:了解です。

彼が、試料カプセルを地上に投下したあと、燃え尽きるほんの少し前にした最後の仕事は、青い地球を撮影し、地上に送信すること。ありがとう”はやぶさ”。この7年間、君はわたしのヒーローだった。

はやぶさ:無事試料カプセル分離しました。
      最後の写真を送ります。
地上管制:ありがとう。はやぶさ。ゆっくりおやすみ。
はやぶさ:ありがとうございました。ちょっと暑いです。
      お世話になりました。
地上管制:はやぶさ~。

はやぶさプロジェクトの資金は140億円。1年間に政党助成金に支払われる金額255億円。政党助成を削ってでも、はやぶさ2をやって欲しいと願う今日この頃。

以下は”はやぶさ”の超簡単記録。
彼は、7年前の20003年5月9日、M-Vロケットに載って地球を旅立った。4ヶ月後に1基のイオンエンジンが不調になるものの、翌年5月には、イオンエンジンを併用した地球スイングバイに世界で初めて成功。翌年にはイオンエンジンによる最長運転記録を更新しながら、わたしの誕生日である9月12日は、小惑星イトカワとランデブーするべく、イトカワの上空で静止。11月20,26日両日に、イトカワに着陸、上昇。これも世界初。イトカワから砂塵を採取した可能性高いとされる。また、88万の名前を記録したターゲットカプセルをイトカワにタッチダウンさせた。しかし、姿勢制御装置が故障していたのにつづき、11月27日には、電力系統の不調。燃料洩れの影響。通信途絶。29日はなんとか通信復活。12月8日には、再度の燃料洩れ、姿勢制御不能、通信途絶を経験。地球帰還延期の発表。この時、翌年までにイオンエンジンの復活がなければ地球帰還が難しいことも予測された2005年が終わった。
2006年1月26日。はやぶさからのビーコン受信から3日後、はやぶさは、電力不足から一旦リセットがかかった状態であることが判明。リチウムイオン電池完全放電状態、11セル中4セル使用不能。化学エンジン燃料全量喪失。イオンエンジン用キセノンガスも42-44kgの残量と推定された。
この年は奇跡的な1年。イオンエンジンを推進だけでなく姿勢制御にも活用。さらに太陽光圧を使った姿勢制御も。さらに9月までには使えるリチウムイオン電池のセルに充電完了。イオンエンジンのうち2基の起動実験も成功。
2007年は、比較的順調だったが、起動試験に成功した2基のイオンエンジンのうちの1基が故障し、1基体制、その後に別のイオンエンジンの起動に成功。帰還がほぼ確実になった。
2010年6月13日長い旅を終え、試料カプセルをパラシュートで降下させるのを見届けることなく、自らは大気圏で燃え尽きるはやぶさ。彼が燃え尽きる前に最後にしたことは、青い地球を撮った一枚の写真を地上に送ることだった。燃え尽きようとしているためか写真は少し小さく、ぼけていた。

【告知】—–
第12回JSS関西ウイスキークラブ 2010/06/20(日)開催
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#徒然日記

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