僕がバーテンダーになり、掛川に戻ってきたばかりの頃
ある、ひとつの夢を頭に描いたことがある。
それは
いま当店に来てくれている、お客様達が家族を持ち
いずれそのお客様のお子様たちが、来店してくれるようになる。
まだまだ実現するには時間が足りないものの
昨夜はそれに近い感動があった。
真っ黒に日焼けをし、真っ白い歯が印象的だった高校生の彼女。
この夏の合宿では一日10000mも泳ぐのだそう。
オレンジと西瓜が苦手だという彼女には、熟した桃をまるごと使った
ノンアルコール・カクテルをお作りした。
少し恥ずかしがり屋のように見えた彼はまだ中学生。
彼には県内産のパッションフルーツを使ったものと
スイカをたっぷり使ったノンアルコール・カクテルを作った。
僕の同級生でもある彼らの父親は、煙嫌いだという彼らに遠慮し
毎回嗜む葉巻には火は灯さない。
いつもと違うウイスキーを、あえてハイボールにしてくれと彼。
3人での時間、そして子供たちとの会話を楽しみたいのであろう。
彼は身体を彼らにしかっりと向け、子供等と三人でゆっくり語らう。
ハイボールをゆっくり味わいながら、親子の絆を深めていた。
微笑ましい時間であった。
あと数年すると、一つの僕の夢が叶う日が来るかもしれない。
夢が叶うということは、僕自身の自信に繋がるということ。
新たな世代を迎え入れられるだけの時間
僕がカウンターに立っているのだということ。
子供達が握りしめるグラスに付いた結露が
昨夜の暑さを物語っていた・・・
#BAR