先日行われたサントリー・ウイスキー・フェスタ in SHIZUOKA 。
一般のお客様がお見えになる前、プロのバーテンダーを対象に
あるセミナーが開かれました。
サントリー山崎工場で一度お見かけしたことのある、世界を代表する
トップ・ブレンダーの輿水精一氏によるウイスキー・セミナーです。
個人的には一番楽しみにしていたセミナーでした。
つい先日まで、ロシアにて講演会を行ってきたという輿水氏
ロシアでウイスキーへの関心の高さに驚いてきたようです。
かなりマニアックなウイスキー・ファン、女性もいたようで
今までに経験したことのない質問もかなり飛び交ったようです。
「樽を作るために材料にする原木は、どの季節に切るのが適切なのか?」
これからのロシアを含めた世界ののウイスキー事情が
どう進化するのかたのしみです。
お話の中でインドでウイスキーを造っている方とお話をした際、インドでは
樽熟成時に年間12~13%の蒸発があるのだと。
これでは長期熟成させたウイスキーづくりは不可能だともお話していました
さぁ、試飲しながらセミナーを進めましょう。
今回のセミナーで試飲したウイスキーは全部で7つ。
以下がそのラインナップです。
◆山崎 ホワイト・オーク・カスク
◆山崎 スパニッシュ・オーク・カスク
◆山崎 ジャパニーズ・オーク・カスク
◆山崎 12年
◆山崎 ホッグスヘッド
◆白州 12年
◆山崎 プラムリキュール・カスク・フィニッシュ
いつも思うことですが、同時試飲が一番わかりやすい。
毎夜こんな感じで試飲をすることは不可能ですが
一般の方が試飲・テイスティングをする場合、一番お勧めの方法です。
今回のセミナーに中で個人的に参考になったのは
◆乳酸菌が熟成に寄与する期待◆
そのために醪にも熟成時間が必要だということでした。
◆オリジナリティーの必要性◆
今回発売された梅酒樽で再熟成されたウイスキーのように、これまでの
各国の作品の「真似」ではなく、日本のオリジナルを完成させることの
必要性、これもお店づくりや人の生き方に必要な要素ですね。
ジャパニーズ・ウイスキーの個性でありオリジナリティーは
「樽にある」とも申していました。
また、今回のセミナーで好きな言葉が「絶えざらぬリファインメント」
伝統を守りながら、常に進化させる必要性。
ウイスキーづくりにも、人生にも「リファインメント」が必要なのだと
教えて頂いたように感じました。
サントリーでは1987~1988にかけて工場設備の大改造をしました。
その際、工場ラインは一時的にストップするわけですが
それから20数年たった現在、サントリーの商品が世界的に高評価を
いただけるようになったのだと思っているというお話を聞き
これからも地道に地に足をつけながら、自分を信じて生きてゆこうと
心に誓いました。
1987年といえば、近年ニッカの余市1987が世界一に輝いたことの
負け惜しみでもあったのでしょうか?(汗)
教科書に載っていないようなお話が聞けるセミナー、今回のイベントに
参加させていただいたことに感謝いたします。
最後に。
一日になんと200~300種類のサンプルのテイスティングをするという
輿水精一氏。
テイスティングに ” ブレ ” が生じないように生活基盤をしっかりさせる
努力をしているようです。
さすがプロフェッショナル。
プロフェッショナルが毎晩楽しむ晩酌は、意外にも?
角瓶だそうです。
彼の話に夢中だった妻は、彼の大ファンになったそうです。
次回はサントリー・ウイスキー・フェスタ in SHIZUOKA で行われた
「モルト・ショコラ・セミナー」の模様をお伝えいたします。
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