今週もまたまたウイスキーのブランド紹介でご勘弁願います。禁酒法施行下のウイスキー業界についての資料がどこにいったかいっこうに見当たらず、そのうえ風邪をひいてしまって探す気力もありません。
創業年:1934年
生産者:ジェイムズ・B・ビ-ム・ディスティリング社
所在地:ケンタッキー州クレアモント
ブランドネームのジェイコブとは、ウイスキー業界におけるビーム家の父祖、ジェイコブ・ビ-ムのことです。
ジェイコブ・ビームは、1760年にメリ-ランド州で生まれました。1795年にカンバーランドからワシントン郡マントン近郊のハ-ディン・クリ-クに移り住み、息子のデイヴィッドとともにウイスキー造りを始めます。
ジェイコブは1839年に79歳で他界しますが、今日までビーム一族は7代にわたり、のべ30人に及ぶディスティラーを輩出しており、自社のみならず、現存するケンタッキー州の蒸留所のほとんどに携わっています。
例えば、ジョセフとその息子のエルモ・ビームは、それぞれヘヴン・ヒルとメーカーズ・マーク蒸留所の初代マスター・ディスティラーですし、州外においても、エヴァレット・ビームがペンシルヴァニア州のミクターズとオハイオ州のサルマー蒸留所を手がけています。
とりわけ、禁酒法後、ディスティラリーズ・イーストまで含めて、彼らが培っていた技術がなければ、アメリカのウイスキー産業の復興が大きく遅れていたのは間違いないでしょう(ただ、現在も現役のディスティラーは、クレアモント蒸留所のフレディ・ブッカー・ノウ3世 と、ヘヴン・ヒル・バーンハイム蒸留所のクレイグ・ビームの2人しかいない)。
このウイスキーは、ビーム家の創業200周年を記念して、1995年に発売されました。
トゥワイス・バレルという製法を採用し(ジム・ビーム・ブランズ社傘下の2蒸留所、クレアモントとボストン蒸留所の原酒をヴァッティングしたものかもしれない)、84ヶ月、7年にわたって熟成させた84プル-フのスモールバッチ・バーボンです。
#バーボン