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エルマー・T・リー

 今週も引き続きウイスキーのブランド紹介でご勘弁願います。「アメリカン・ウイスキーの歴史」については、12月中にはなんとか完結させるつもりでおりますので、いましばらくお待ち下さい。
 
創業年:1865年
生産者:リーズタウン・ディスティラリー社
所在地:ケンタッキー州フランクフォート

 エルマー・タンディ・リーは、1919年にフランクフォートで生まれました。1944年にシェンレー社に入社して、1969年から1980年までエンシェント・エイジ(旧リーズタウン、現バッファロー・トレース)蒸留所のマスター・ディスティラーを務め、以後もマスター・ディスティラー・エミリタスとして、同社のウイスキーのクオリティを大いに高めた人物です。いまやバッファロー・トレース社を代表するブランドとなったブラントンを世に送り出したのもリーで、その慧眼と功績は、アルバート・B・ブラントン本人と比べてもなんら遜色はないでしょう。

 このウイスキーは、リーのポストを継いだゲイリー・R・ゲイハートが、先代への敬意をこめつつ手がけたもので、ブラントン、ロック・ヒル・ファームス、ハンコック・リザーブに続いて、1992年に発売されたシングルバレル・バーボンです。

 リーの名声に恥じないフルボディの名品で、とくに、1990年代後半までのロットの出来は見事です。ジム・マーレイ氏も、「複雑で素晴らしい味わいに、一度たりとも裏切られたことはない」と賞賛し、アードベッグ、ジョン・パワーズとともに、もっとも愛すべきウイスキーのひとつに挙げています。
 エイジングは8年以下のようですが、以前は6年から8年の原酒をブレンドした、107プルーフのラインナップもありました。

 オフィシャルサイト

 なお、バッファロー・トレース社と母体のサゼラック社、リーズタウン蒸留所の歴史については、それぞれ、バッファロー・トレース、サゼラック・ライ、エンシェント・エイジの記事で取り上げます。
 

#バーボン

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