SAMUEL SMITH”S “ORGANIC CHERRY FRUIT BEER” Alc. 5.1% Vol.
サミュエル・スミスのオーガニック・ビールはラガーしか飲んだことがありません。
本国ではオーガニック・エールもラインナップされています。
イングランドの醸造所については、オーガニックにこだわる醸造所も多く、このジャンルでの関心の高さをうかがわせます。
「オーガニックだからなんだ、問題は味だろ?」という方も多いですが、このビール、だからこそオーガニックなんだと思わせるひとつかもしれません。
素材を生かすことを考えているからこそ、当たり前のように素材に気を配る。
単なる「こってり特盛りビール」とは歴然たる差。
もちろん、こってり特盛りビールくださいっ!という時もありますw
写真(記事下の方)では解りづらいのですが、注いでいる間にも認識できる位にほんの~りとピンク色を帯びています。
さくらんぼの甘酸っぱい香りに自然と唾液が出てきます。
待ちきれず口にすると、さくらんぼの香味と共に心地よい甘みが口腔一杯に広がる。
極控えめなホップとさくらんぼの香りのコンビネーションは、日本伝統の桜餅に通じるものがあります。
香味においては、サミュエル・スミスの酸味が引っかかりはしないかと思っていたのですが、さくらんぼの酸味を考えるとき、むしろ良い方向で作用しています。
洗練されたイングランドのエールの良さは、歴史、伝統文化を尊重する日本人にとって理解しやすいように思えます。
歴史、伝統などと難しいことのように思えますが、僕たちが生まれ育った土地の空気のようなもので、風土というべきかもしれません。意識しないでも、感じることができるのではないでしょうか?
フィニッシュは鼻腔をくすぐるさくらんぼの香り、軽やかな甘みがいつまでも続く。
優しい気持ちになれますw
奥さんにも飲ませてあげればよかった~、とか思ったりする。
さくらんぼに焦点を合わせながら、さくらんぼとエールという組み合わせのよさというよりは、さくらんぼとサミュエル・スミスの組み合わせのよさがあり、控えめに漂うサミュエル・スミスらしい酸味、醸造香が醸造所の伝統を感じさせます。
素材を生かし、醸造所の個性を感じさせる素晴らしいビールだと思います!