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紅志野の皿 Glenfarclas 1977 The Whisky Hoop, 1971 The whisky Shop Dufftown, 175 Chairman’s Reserve, 9yo Movember, 2008 New Pot, 21yo l1980s, 105 1980s, 21yo m1970s Giaccone

 7月頭は、食器を買いに。
 一年前は鼠志野と備前の皿を買ったお店だ。
 初めて来たのは結婚のちょい前だから、
 もう長い話だ。

 今年は紅志野を。
 いつも、唯一値段の交渉が可能な、
 元社長か現会長か顧問かわからない年配の方に値引きをしてもらう。
 今回は、モノ的には全く問題がないけれども、
 商慣習的な理由にて、エッというところまで。
 ありがとうございます。

 さて前回は、50年代・60年代を飲み散らかした、
 Glenfarclasの試飲会でした。
 う~ん、Glenfarclasってブログにあまり書いてないんだよななぁ。
 この機会にまとめてしまおう。

 ということで、今回はGlenfarclasを。
 ざっくり、リリースの新しい順かな。

 まずは、The Whisky Hoop向けの
 1977年蒸留です。

 Glenfarclas 1977-15 47.1% #8203 Pln-Hogs for The Whisky Hoop
  塩気無くナッツ、麦キャラメル。
  ミルクティー。
  熟成により角の取れた樽木の味わいが、かなり良い。
  苦み、スパイス、枯れは無く、
  素朴ながら野暮ったさの逆で、
  上品なウイスキー本来の熟成された味わいを見せる。

 70年代後半のPlain Hogsheadですので、
 いわゆるFarclasなシェリーはもちろんないですが、
 前回に紹介した1979年蒸留と同じく、
 原酒と樽からくる素直な味わいがとてもいいです。

 次は、1971年蒸留のThe Family Casksで、
 The Whisky Shop Dufftown向けです。

 Glenfarclas 1971-11 51.6% #152 The Family Casks for The Whisky Shop Dufftown
  色目ほどには黒濃く無い味わいで、
  長熟のジャマイカラムのようなチェリーが伸びる。
  むせるくらいの赤い果実。
  ベースに煙。火にくべた木材。
  口内、喉から鼻抜けまで、華やかな香り充満。

 凝縮した果実の香りが、一気にドーンと伸びてきて、
 圧倒的に広がって包まれます。

 次は175のChairman's Reserveです。

 Glenfarclas "175" 1960s-11 46% "Chairman's Reserve"
  厚いシェリー、燻製に近いピートの煙り感。
  しかし荒くは無く、隙なくどっしりと受けるのは、
  バッティングの技がなせるのか?

 強いシェリー感にピートが被りますが、
 丁寧に隙間を埋めるような味の詰まり具合は、
 とても心地よく、ゆったりと味あわせてくれます。

 次は2002年蒸留の9年熟成。
 Master of MaltのMovember向けです。

 Glenfarclas 9yo 2002-11 53% 2-Ols-Sry-Hgs "Movember" Master of Malt
  圧倒的な樽の旨さ。
  強く嫌み無いシェリー、ジリジリ来る赤い果実。
  ローストナッツ。
  原酒の味わいはよくわからないが、良い樽だなぁ。

 短熟でこの味わい。すごいですね。
 樽の力でグイグイ押してきますが、
 その良さに嫌みはなく、
 素直に受け入れることができる美味しさです。

 さて、次は変化球。
 前回の試飲会でいただいた、
 2008年のNew Potです。

 Glenfarclas New-Pot 2008 "Scotch Whisky Except As Regards Age"
  アンモニアや有機溶媒のようなネガティブな風味が無く、
  ヨーグルト、杏仁豆腐、風邪シロップ、樟脳。
  発酵した乳製品、密甘い果物などの香りが、どーっと押し寄せる。
  少しぬめりのある感触も伴って、独特の味わいが楽しい。

 これは、面白い。
 ジャマイカのホワイトラムの短熟オールドを思い出しいました。
 独特の味わいですが、これ系はとても好きです。

 さて次は、1980年代後半のボトルでしょうか。
 21年熟成です。

 Glenfarclas 21yo -l80s 43% 75cl
  ジワーっと柔らかく包んでくるシェリー熟成は、
  圧倒的でないところが、むしろ好ましいと思える心地よさ。
  ドライフルーツは、次第にジリジリとした感触を連れて、オレンジチョコへ。
  樽木の苦味も適度に好ましい。
  楽しませてくれるが、やや、こなれや混和度合い、
  ボディの太さというか質感に今一つの完成度を欲求するところは残る。

 度数のせいもあってか、やや大人しいようにも思えますが、
 適度という言葉がピタリとくる柔らかさが、
 好ましい味わいです。

 さて次は、1980年代、特級表記の105です。

 Glenfarclas 8yo -80s 60% 750ml Sakatsuya Tokkyu
  シェリー、ナッツ、木材。
  度数の高さと、瓶内変化のこなれの共存。
  じわりと煙。

 コメントは短いですが、かなりおいしいです。
 量が減ったボトルであっても、
 やはり度数の高さで味を保っているのかなぁ。

 最後は、1970年代の21年もの。
 Giaccone向けです。

 Glenfarclas 21yo -m70s 43% 75cl for Giaccone
  べっこう飴のように粘性のある甘さに載せて、麦感、シェリー熟成感。
  それらは安っぽく流れずに、高貴な輪郭を保つ。
  紅茶或いは烏龍茶、オレンジピール。
  柔らかに煙をまとったピート。
  温めた木材。
  後半から、スパイスと香草。

 度数の43%の方ですが、The Family Casksの1950年代蒸留のように、
 重量感のあるシェリー樽で迫ってくるのではなく、
 複雑さ、質感の高さ、明確な輪郭など、
 総合的な仕上がりの良さを見せてくれます。

 さて、次回は何にしようかな。
 では、ごきげんよう。

#Glenfarclas

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