スペイサイド地区S
【S】 SPEYBURN / スペイバーン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.speyburndistillery.com/
●所在地・・・・・・・・Rothes, Morayshire
●創立・・・・・・・・・1897年
●所有者・・・・・・・・Inver House Distillers Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・グランティ川(バーチフィールド川)
●ブレンド銘柄
インバー・ハウス
キングジョージ4世
*1990年前後、旧オーナーのUD社(現ディアジオ)よりインバー・ハウス・ディスティラーズ社が買収した経緯がある為、現在ディアジオ系のキングジョージ4世にブレンドされているかは不明。また、国内輸入も無いみたいだ。
ちなみに現在のインバー・ハウス・ディスティラーズ社のラインナップは以下の通りで、4つのシングル・モルトは少なからずブレンドされていると考えられます。
●Single Malt
Old Pulteney
Balblair
anCnoc (Knockdhu)
Speyburn
●Blended Malt (Vatted Malt)
Blairmhor
Hankey Bannister
●Blended
MacArthur”s
Catto”s
Hankey Bannister
Pinwinnie Royale
Inver House Green Plaid
【ティスティング No.60】
スペイバーン 25年熟成 1977-2003 61.1% 蒸留所詰め
Bottle Number 390 of ???, Cask Number 1810
【色】
濃いマホガニー。栗色。(チャート1.6~1.7)
【香り】
カラメル、レーズン、デメララ系ダーク・ラム、バニラ、酸。官能的で複雑。やや、渋さを連想させる香りもあるが、その分濃厚でリッチな味わいが期待出来る。
【味、フィニッシュ】
ハイ・プルーフ・ラムの様相。レーズン、ナッツ、スパイス、プリンのカラメルのような甘さと重厚なタンニン。酸を帯びているので割合スルッと入って来る。やはり長熟デメララ系ダーク・ラムと多く重なる部分を感じ、麦が原料とは思えないほどだ。当然アフターは長い。
【総評】
今回の物は、最近のディスティラー詰めスペイバーンではほとんど見かけなくなった濃厚なダーク・シェリー物!!「甘酸辛苦渋」全ての味わいが勢揃いで、バランスとしては「甘」と「苦」、次に「辛」が途出しており、ダーク系シェリー物の王道的味わいながら、非常に熱く、超へヴィーな1本と言えよう。
これを開栓した時は「グッハ~、シェリー物なのに何て強力!&シッブ~!」とか思ったんだが、数年経ち、多少角が取れ、多様な味わいが複雑に絡んだリッチさが出て来たように思う。んっ!間違い無く味が乗って来た所だろう!!
また、シェリー物にはありがちなゴムのような香りが無いので嫌味が無い。恐らくスパニッシュでは無く、アメリカン・オークのシェリー樽ということも推察出来る。
しかし、誰でもっていう訳には行かないハイ・プルーフなので、若干人を選ぶシングル・モルトの1つなのは間違い無い。また、応用の効かない無骨さも併せ持っているので、マッカランなどのシェリー・バランスが好きな人には勧め難いかも知れません。
ボトラー関係は少ない部類なので、色々と楽しむことは余り出来ないが、蒸留所から割合多様なボトルがリリースされているので、比較して見るのも一興だとは思う。
#スペイサイド