ハイランド地区T
【T】 TULLIBARDINE / タリバーディン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tullibardine.com/
●所在地・・・・・・・・Blackford, Perthshire
●創立・・・・・・・・・1947年
●所有者・・・・・・・・Tullibardine Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×6基(以前は大全の通り8基)
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・ダニー川
●ブレンド銘柄
スコッツ・グレイ
グレンフォイル
*2003年に見事に大手(Whyte & Mackay)より独立し1本立ちした蒸留所で、上記ブレンデッドに供給されているかは現在は不明。
1本目のスコッツ・グレイは、1979年以降タリバーディンを中核としているだけに今も供給の可能性はあるかも知れない。
2本目のグレンフォイルと言うロスト・ディスティラーに肖った名前を持つ銘柄は、調べた所、ブレンデッドとシングル・モルト両方にその名前があることが分かった。しかし現在はブレンデッドの方の製造はされていないようなので、当然独立を果たしたタリバーディンとは関連性が更に薄くなったと言えるでしょう。
現在、オフィシャル・ホーム・ページを見ると、ジョン・ブラックと言うブレンデッド・モルト・ウイスキーと、スコットランド最古のエール醸造所(12世紀)の跡に建設された経緯もあり、スコットランド王ジェームズ4世の戴冠式に供されたと言われる年の1488と銘打ったエール各種、タリバーディンを使用したクリーム・リキュールなども製造している。ちなみに蒸留所のショップの名前もCAFE1488と銘打ってあり、創業した年号だと思い込んでしまう人も居るかも知れません。
跡地に建設されただけであり、全く関係無いのに紛らわしいと見るか、独立を果たした上での営業努力と見るか、はたまた、ブラックフォードの伝統を復活させたと見るかは人によってマチマチでしょう。
【ティスティング No.116】
タリバーディン 24年熟成 1965-1989 46% ケイデンヘッド詰め
Black Dumpy
【色】
濃いゴールド(チャート0.8~0.9)
【香り】
ワックス、レザー、シナモン、バニラ、イチゴ・ジャム、バナナ。大まかには、手入れをしたレザーのような香りと、火を入れたイチゴのような特徴を持った香りだ。
【味、フィニッシュ】
やや古い木材のようなタンニンが優勢だが、レザーやバニラの特徴を持った甘みとバナナのような味わいがバランスを保っている感じ。余韻は46%にしては長めでレザーの雰囲気が残る。
【総評】
まず時代物のケイデンヘッドなので期待も膨らむと思いますが、香りの一端にあるジャムのニュアンスに好感を持った程度で、驚くようなビッグなモルトでは無いことを断っておきます。
味わいについては昨日のトマーチンと差して代わり映えしなかったが、やや今回の方が柔らかい感じはした。しかし、味わいの変化は少ないものの、絶妙なバランスを持ったウイスキーでスルスルと飲めてしまう。テイスティングで直ぐ飲んでしまうことは少ないのですが「ん~、これはヤバイっす!」ドランカーは注意が必要です(笑)。
独立後のリリースは1965、1966等の古いヴィンテージ物を筆頭に、70年代、80年代、90年代と、まんべんなくヴィンテージ表記物のリリースが現在も続いている。
日本へも勿論輸入されているが、差程メジャーでも無いのに80年代以前の物になるとグンと価格が上がるので、少し取っ付き難かったりする。ま、カスク物で10年程度の熟成してたら1万円するご時世ですから当たり前と言えば当たり前ですかね・・。
私の場合、余程のことが無い限り熟成1年につき千円を超えない物を買おうと決めているので、最近買えない物がたま~にあるんですよね~。ま、色んな要素で価格が上がっているのは理解してますが・・・、いや、ま、世知辛い話しですな~(苦笑)。
ま、それはさておき、ボトラー関係ではほとんどリリースは無く、老舗ボトラーから少量のみリリースがある。また、旧オーナーからのオフィシャル・ボトルもまだまだ在庫が有りそうなので、タリバーディンを極めようとする端っこ好きな方は是非探してみて下さい。
*今回でハイランド地区終了しました。次回はオークニーから順にアイランド巡りと行きます。ではまた!!
#ハイランド