’76トマーティンを離れて、別のトマーティンをテイスティング。
前回はダグラスレインOld&Rareの1975でした。
今回は、60年代のトマーティンにしてみましょう。
ゴードン&マクファイルのスピリット・オブ・スコットランドより。
ウイスキー誕生500周年記念のトマーティン 1964です。
懐かしいと感じられる方も多いのではないでしょうか。
表ラベルには明記されていませんが、ボトリングは1994年。
スコットランドでのウイスキーの最古の公式記録として、
皆さん御存知のスコットランド財務省の記録が1494年。
というわけで、この年を起点としての500周年記念ということになります。
トマーティン
1964
ゴードン&マクファイル
スピリット・オブ・スコットランド
蒸留年:1964年
瓶詰年:(1994年)
40%
【色】
やや曇りのあるブラウンゴールド
【香り】
穏やかで優しく適度な質感があり、しっとりとした素朴な香り。
薄いオレンジチョコとアプリコットのドライフルーツ、焼きリンゴ。
柔らかな麦汁香がウェハースやシリアル、湿った枯葉のよう。
それらがバタークッキーにマーマレードをかけたようなイメージへ。
【味わい】
優しく柔らかな香味と、サラサラと滑らかな口当たり。
軽くプラムや干しブドウが弾け、みかん缶のシロップのような甘み。
蜂蜜を塗ったトースト、ラスク、緩やかに凝縮された麦汁の旨味。
それらは全て優しく柔らかで、奥にある草などの香味と相まって
マスカットやマスクメロンのようにも。素朴かつ艶やか。
【フィニッシュ】
食パンの耳、薄いメープルシロップのような軽いロースト感。
しっとりとした淡いオレンジっぽさが鼻に抜け、心地良く長い余韻。
ただひたすらに優しく、素朴ながら上品さも感じられる逸品。
個人的には、穏やかで過度に主張しないフルーティーさと、
しっとりと(ジュワッと)麦汁の旨味が溢れるような香味が好きで、
自分の好みにピッタリのトマーティンでした。
心情的に言えば、優しい気持ちになれる1杯・・・でしょうか。
ヘタレていたり、水分と香味が分離して感じられるようなこともなく、
饐(す)えたニュアンスも無く、とても良い状態だったと思います。
メモを取りながら飲んでいましたが、飲むペース早すぎました(笑)
とても美味しかったです。ごちそうさまでした(^-^)/
今回は、このトマーティンのイメージと重なるような気がする曲を♪
奇しくもリリースがボトリングと同じ1994年。
ヴァン・モリソンの中でもポップなアルバム『Moondance』より、
"Crazy Love"です。・・・もう言葉はいらないですよね。
#トマーティン #ハイランド #ゴードン&マクファイル