先週の土曜日(11月20日)。
いつもお世話になっているブロガーさんに誘われ、ブロガー仲間やTwitter繋がりの皆さんと銀座で飲んできました♪
もちろん上京するとなれば前入りが僕のキホン(笑)
今回は幾つかBarを巡りたかったので、早々にお暇する予定だった自由が丘で、
まさかの嬉しい遭遇に合い唖然とされたこと。(もちろんこの方♪)
そして、もしかしたら来れなかもしれないけど、一応行動予定だけ報告しておいた元名古屋の重鎮とも無事に合流♪
メインイベントの前日に、いきなり濃厚飲み会を堪能させていただきました♪
いやー偶然って怖い!いや、楽しいですね!!
「ホントは待ち合わせしてたでしょー!?」
なんて、バーテンダーさんに言われちゃいました。
ん~この組み合わせなら、そう思われても仕方ないな・・・(笑)
(※ガチで偶然ですっ)
さて、自由が丘から有楽町へ移動し、一人飲み歩きを堪能して、
心地良く就寝しまして、いよいよメインイベント当日です♪
この日は、誘っていただいた方の行きつけBarへ。
カクテルや洋酒全般の古書・古文献を多数所有されているあのBar。
何でも、誘っていただいた方が超貴重な古文献を入手され、どうせならこういった文献史料は、あるべきところにあった方が良いとの御判断で、そのBarで保管していただくことになったのだそう。
そういったことも兼ねて、古文献に触れながらの飲み会となったわけです♪
素敵な判断!さすがBarを愛する人は違うなーと感心しました。
皆さんと合流して、さっそく古書・古文献を見ながらワイワイ飲みましたよ!
まずはコチラ。
『麥酒・ウィスキー』初版
松山茂助著 大谷書店
(昭和26年3月15日発行)
農学博士の松山茂助氏(1890-1973)による大戦直後の著作。
大正8年日本麦酒(鉱泉に入社。研究部長となり,ドイツに留学。昭和20年に大日本麦酒の取締役。24年に同社の分割で日本麦酒(現サッポロビール)の常務。36年社長となった人物です。
醸造学が専門ということもあり、本の構成も醸造学がメインですが、後半はウィスキーをメインに蒸溜学について書かれています。
本書は学術論文書ですので内容はかなり専門的で難しいです(汗)
旧字体・異体字も盛り沢山で、かなり読み難いのですが、ゆっくり読み解いていくと、昨今目にするウイスキーの製造や科学的な考察に関する土台になっていることが良く分かります。
「ウィスキーの人工熟成」の項は、いわゆる瓶内酸化作用について。
これは興味深かったと同時に、この時代に既に学問として研究されていたことに深く驚嘆と感動を覚えました・・・。
ウイスキーに関して、もう1冊。
こちらは、ロンドン大学教授R.J.S.McDowallによる1967の著作。
その第二版になります。
『THE WHISKY OF SCOTLAND』第二版
R.J.S.McDowall 1967
面白いのは地域分類。
「グレンリベットとその周辺」、「ダフタウンと近郊」、「南部地方のモルト」といったスペイサイドの分類や、アイラモルトが「アイランズ」としてカテゴライズされていたり、ジョニー・ウォーカーは“ジョン・ウォーカー”だったり・・・。往時を偲ばせる表記がロマンを感じさせます。
内容は、個々の銘柄のハウススタイルや簡単な創業由来、ブレンデッドの各銘柄の特徴、モルトウイスキーの特徴など、当時としての入門書的な内容でした。
さらに、カクテル関連で面白いものを。
『家庭で出来るコックテールの作り方』
大阪割烹学校・編 波屋書房・発行
(大正15年7月1日発行)
表題は・・・
『方り作のルーテクッコる来出で庭家』。
あ、『家庭で出来るコックテールの作り方』ですね(笑)
こちらは大正15年の本。いわば家庭向けの実用書、レシピ集。
何やらハイカラ、モダーンなローマンスを感じさせてれる一冊です。
おそらく当時のハイカラ・モダンガールな奥様が、7:3分けのくるりんヒゲの御主人にコックテールを作って差し上げていたのでせうか?(爆)
ちなみに定価は壹圓五拾錢でございます。
文体が、口語文語体の総敬語なので、なかなか笑えます。
指示語にもイチイチ漢字が使われてるんですよね。例えば「此の」みたいな。
「~といたします。」、「~とされますが故に」・・・イチイチ面倒ですww
こちらは実用書だけあって、簡単にレシピが書かれています。
今でも良く目にする手帳サイズのレシピブックでしたよ。
ちなみに、こちらの本によると、ウイスキーは英国のスコットランド産を最上とするらしいです。ええ、確かに(笑)
さらにウイスキーは「ウヰスキー」じゃなくて「ウ井スキー」だったり、
やっぱり「ウヰスキー」だったり、厳密に旧仮名遣いを使い分けてました。
ウ井スキー・コブラー(Whisky Cobbler)
砂糖(大匙一杯)
ウヰスキー(一ジガ―)
キユラソー(四分の一ジガ―)
レモンの薄切り(一片)
水飲みコップに砂糖大匙で一杯を入れ砕き氷を半分ほど入れ、キユラソー、ウヰスキーを入れて静かに攪拌してレモンの薄切りをうかせてすすめます。
(原文まま、旧字体は新字体に改めて記述)
いやー楽しいですね♪
さらに凄かったのが、SAVOYのカクテルブック初版!
『The SAVOY COCKTAIL BOOK』
Harry Craddock (1930)
豪華な金粉の装飾にも目を奪われますが、中のイラスト挿絵も多色刷りのユーモアあふれたオールド・ファッション的な洒落たものになっていて、それだけでも非常に楽しい書籍です。
版を重ね、改訂を繰り返して現在も出版され続けているSAVOYの原点を目にすることができ、実際にページをめくる機会を得たのですから「感動」なんてもんじゃありあませんよね・・・。
カクテルのレシピブックと言えば、より実用的な古書も拝見しました。
『Applegreen's Bar Book』
初版は1899年とのことでしたが、こちらの版は確認できず。
今も良く目にするバイブルサイズのレシピブック。
明治時代のカクテルブックも今と変わらないカタチなんですね~。
ハイボールの作り方なんてのも。
スコッチ・ウイスキー・ハイボール、アイリッシュ・ウイスキー・ハイボール・・・と、細かく分かれていることに驚いていたんですが、よく見てみると「ハイボールと同じように作る」って書いてあったり(汗)
そして。
本日のメイン、こちらのBarに贈呈された古文献がコチラです!
『新撰洋酒銘酒製造傳法簿』
伝 近江湖東 西川家古文書
(明治23年)
出処は近江湖東(滋賀県)の料理店の蔵から出てきたものらしいです。
サイズは、A6サイズくらいでしょうか。虫食いが多く、劣化が激しいです。
おそらく保存していた方が裏表紙を補修した跡がありました。
毛筆で洋酒の製法が書かれています。
製法といっても、製造方法(醸造や蒸溜)ではなくてレシピのこと。
レシピ・・・なのに、『ブランデー酒』なる洋酒の作り方が。
アルコール、砂糖、酒石、水、甘松、ニクヅク、マグ子シヤ、久年酒を混ぜて作ると書かれていて、どうやらこれらを混ぜてブランデーのような合成酒を作る方法らしいです。初めてブランデーの香りと味を知った人が想像しながら書いたものなのでしょうか?
個人的に面白かったのは、なんと泡盛の作り方も!
アルコール、砂糖、水、酒石、久年酒を混ぜるのだとか。
ち・・・違いますって(笑)
しかも、レシピを見ると、この泡盛製法にハーブ類を混ぜるとブランデー酒になってしまうではないですか!・・・う~ん興味深いですね。
どのレシピにも書かれている材料は、砂糖、酒石、久年酒など。
酒石はワインストーンで知られいますが、酒石酸とカリウムが結合して結晶化した澱のようなもの。久年酒は・・・分かりません。
ニクヅク(ニクズク)の種がナツメグですから、おそらく使用していたのはナツメグでしょうね。他にもマグ子シヤはマグネシウムかな・・・。
走り書き、っていうほどではないのですが、それでもメモ程度に書き綴ったもので、それがまた当時の雰囲気を知る貴重な史料となるわけですね。
この日はカクテルを楽しみながら、持ち込みOKだったこともあって、
皆様それぞれ持ち寄りのボトルを愉しみました♪
貴重な古文献を見ながら、美味しいカクテルとモルト、楽しい会話。
最高です!!
2次会のBarでは、全員モルト好きっぷりがスパークして、それぞれのオーダーを全員で回し飲み(笑) ワイワイ言いながら素晴らしいボトルたちを堪能させていただきましたよ!
集合時間の17時から、あっという間に22時。
5時間飲んだかな~ってくらい、本当にあっという間でした。
皆様お疲れさまでしたー!!素晴らしい時間を過ごすことができました!
(機会あれば、また隠れてコッソリ文献を見に行こうっと♪)
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