MENU

新刊『ウイスキー・ドリーム』 ただいま読書中♪

先月末に発売された新刊、もう皆様お買い求めになりましたか?

『ウイスキー・ドリーム ‐アイラ島のシングルモルトに賭けた男たち』(白水社)
ブルイックラディ蒸留所の再建を追ったノンフィクションです。

ブルイックラディ蒸留所の歴史、その栄枯盛衰。
マーク・レイニヤー社長のブランド戦略。
そしてマスター・ディスティラー、ジム・マキュワン。
過去と現在はもちろん、未来の展望までも熱く語られている一冊です。

お恥ずかしながら、まだ第三章の途中までしか読んでいませんが、
さすがにノンフィクションらしく、文献資料の調査や当事者への綿密な取材内容が、
圧倒的な熱量を持って、行間から溢れてくるような感覚になります。


旨さがわかる一冊
 
シングルモルト・ブームが到来して久しい。
スコットランドのアイラ島は、面積六〇〇平方キロメートル、人口も三五〇〇人ほどの小さな過疎の島だが、ラフロイグやボウモアをはじめ、名だたる八つの蒸留所を擁するスコッチウイスキーの聖地。ピート(泥炭)とヨードの香りが強くスモーキーなのが特徴で、個性的なアイラモルトを偏愛する愛好家は多い。

本書は、大資本による激しい買収劇が繰り広げられるなか一九九四年に閉鎖の憂き目にあったアイラ島の蒸留所ブルイックラディが、情熱的な男たちの手によって二〇〇一年に操業が再開され、奇跡的なカムバックを果すまでを綴ったノンフィクションである。

復活劇の立役者は、オーナーであるワイン商のマーク・レイニヤーとビジネスパートナーであるサイモン・コーリン、そして生粋のアイラ島っ子のマスター・ディスティラー(蒸留最高責任者)ジム・マキュワン、蒸留所所長のダンカン・マクギリヴレーら。

なかでも、長年ボウモア蒸留所に勤めたマキュワン氏は、スコッチ界のアンリ・ジャイエともいうべき、「哲学」を持ったカリスマである(村上春樹の名エッセイ『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』にも登場する)。  

モルトづくりから、蒸留、熟成、ボトル詰めに至るまで、徹頭徹尾、土地に根ざした伝統的で丁寧なウイスキーづくりにこだわる、新時代を担う男たちのドラマが、生き生きとした彼ら自身の言葉によって描かれる。

ウイスキー作りの奥深さ・その魅力、また味わい方も存分に語られる、まさに恰好のシングルモルト入門書。

白水社HP 『書籍詳細』より)

≪目 次≫
 第一章  転機 ロンドンからアイラ島へ
 第二章  歴史 ブルイックラディの栄枯盛衰
 第三章  伝説 蒸留最高責任者(マスター・ディスティラー)ジム・マキュワン
 第四章  買収 蒸留所を手に入れるまで
 第五章  人材 アイラ島の男たち
 第六章  伝統 もっとも純粋なウイスキーを求めて
 第七章  製品 ブルイックラディのラインナップ
 第八章  復活 ポート・シャーロット蒸留所
 第九章  普及 ウイスキー・アカデミー
 第十章  展望 世界に広がるシングルモルト

 ウイスキーのテイスティング方法
 ウイスキーの用語解説
 訳者あとがき


Bruichladdich Distillers, Jim McEwan

4560081107 ウィスキー・ドリーム
─アイラ島のシングルモルトに賭けた男たち

スチュアート リヴァンス 北代 美和子

白水社 2011-01-28

 

#おすすめ本・雑誌

この記事を書いた人