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マッカラン1972 35年 GM スペイモルト

ゴードン&マクファイルの「スペイモルト」ラベルのマッカラン。
「なんで『スペイモルト』って名前なの??」
いかにも値段の高そうな(笑)、このボトルを初めて見たとき、率直な疑問が浮かんだのを良く覚えています。

スペイサイドのモルトだから。
ま、結局コレだと思うんですけど、調べてみたら色々と理由があるみたいです。
問題は、定冠詞『The』にあるようですね。
・・・と、ここまで書くと、勘の良い方は気付いたかもしれません。

自社以外の蒸留所やボトラーズなどによる「マッカラン」の名前利用を嫌ったマッカラン蒸留所が、「マッカラン」という名前の独占権を得るために(※)、公認蒸留所となって定冠詞『The』をつけます。
ですが、それでも他のメーカーは「マッカラン」名称を使用し続けました。
そこで、様々な訴訟が起き、結局GMは「スペイモルト」を頭に付けて、逆にGMの名を使わずに「マッカラン」名称を使用しているようです。
 ※公認蒸留所を申請した多くの理由のうちの1つで、それが全てではありません。

ものすごーく簡潔に説明すると、だいだいこんな感じです。
これ以上の詳細を知りたい方は、ぜひ調べてみてくださいね。

こういう歴史的なコトを調べるのは、史学出身としてはワクワクします♪
・・・ん?マッカランって、自分も「-グレンリヴェット」を使ってた蒸留所の1つだったのに、自分は他の名称を使うけど、他は自分のトコの名称を使っちゃダメ!、ってことなんでしょうか(笑)
GMが自社名を出さなかったのは、そういうマッカラン蒸留所への意趣返しか?、と妄想してしまいます。

前置きが長くなりました。
ゴードン&マクファイルの「スペイモルト マッカラン」の1972です。

スペイモルト マッカラン
1972 35年
ゴードン&マクファイル

蒸留年:1972年
瓶詰年:2007年
43%

【色】
赤みを帯びた深い琥珀色。

【香り】
35年の割には、フレッシュな香気が強いように感じます。
柔らかですが強く心のあるシェリー香の奥に、花とバニラのような香りを感じます。
干しブドウ、ドライフルーツの詰め合わせ。淡いミルクチョコ。
徐々に若い木の枝の植物香、ミント葉のニュアンスが現れますが、これは薄く。
遠くからキャラメルマキアートの香りを嗅いだような甘い香りが鼻に残ります。

【味わい】
バターのような口当たりがオイリーさを。
イチゴジャムとグレープジュースのコンビネーションが口中に溢れ、非常にリッチ。
ですが、それらは淡く繊細で、若干の物足りなさを感じますが、それは思っていた以上に濃くないという意味で、むしろ好印象です。
蜜漬けのオレンジ、ベルガモット、ザラメ、キャラメル。
柑橘系とベリー系の風味がどちらも強く感じられます。
そして、舌にハッキリとミルキーでモルティーな風味。
フレッシュさを感じる1つの理由として、少しだけ塩気もあり、これがすごく面白い印象を残します。

【フィニッシュ】
喉に意外なスパイシーさ。
オレンジとフローラルな香りが鼻に抜け、非常に長い余韻。

フレッシュに感じたのは、柑橘系とフローラルな風味が強いからでしょうか。
あとは塩気。
もちろん長熟で43%だから、それなりに刺激は少ないのですが、だからこそ飲みやすく美味さを十分に感じることができたんだと思います。
そして、甘さに引っ張られることなく感じられるモルティーな味わいが・・・美味いです!

考えてみると、モルティーさを失ってないってスゴイことなのかも。
蒸留の過程で生まれる原料本来の旨味や甘味が、長い熟成期間でも失われること無く、樽成分が溶けだすことで生まれた旨味や甘味と上手く混ざりながら、それでも残り続けたってコトなのかと想像してしまいます。

それにしても、ゆっくりと味わいたいですね♪
美味いから、ついつい飲むペースが早くなっちゃいますが(笑)

#マッカラン #スペイサイド

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