MENU

モートラック 1990 19年 ハート・ブラザーズ

改めて、モートラックって美味いんだな~、と感じた1杯。
ファースト・フィル・シェリーだから、やっぱり濃いめのゴム感を感じちゃって・・・
なんてことを想像していると、ある意味、見事に裏切られました。
いや、「裏切られた」のではなくて、「想定外」ってヤツなのかも。

素直で素朴な重厚さはモートラックらしいです。
で、それを覆うかのような華やかで厭味の無いシェリー。
甘ったるいとか、ゴムっぽいとかじゃない雰囲気。
バランス良過ぎて、「普通に美味いモルト」って感想を、つい抱いてしまいます。

モートラック
1990 19年
ハート・ブラザーズ

蒸留年:1990年
瓶詰年:2009年
ファースト・フィル・シェリー 56.5%

「普通に美味い」なんて失礼な感想ですね。
何と言うか、驚きとか意外性を愉しむ、というよりも、静かに1人でボーッと思考を緩くしながら、ゆっくり飲みたい・・・そんなカンジです♪

【色】
バーガンディ色を足した深い琥珀色ですが鮮やかさは失わず。

【香り】
非常に穏やかな甘い香りです。
もちろんシェリーに由来していることを強く感じつつ、オレンジの皮、プラム。
イチゴジャムを薄く塗ったトーストのような香り。
湿った樹皮や、掘り返した土っぽさ、メープルシロップ感。
フローラルというよりは、線香を焚いた部屋のような香りを僅かに感じます。
尖った刺激を感じさせない滑らかさが優しい印象。
深い穏やかさではなく、華やかな穏やかさ。

【味わい】
がっしりと固めの口当たりに、パッと弾けるベリー系。
蜂蜜・シロップ系の滑らかさ、薄いオイリー感があります。
メープルシロップをかけたホットケーキとミルクココア。
輪郭は丸くエッジは無いのですが、ズッシリとした厚み。
甘さは伸びやかで意外にも薄めなので、上品さを感じます。
複数の味わいが現れる面白さは無いものの、均整の取れた統一感のある味わいに、充分な飲みごたえを感じます。

【フィニッシュ】
一直線に駆け上るベリー系の風味と、胚芽パンに似た風味。
穏やかで非常に長い余韻。舌に残る柑橘系の酸味が鮮やかさを残します。

ファースト・フィル・シェリーだからといって、全てがゴム感に包まれているワケではないんですよね。うん、勉強にもなったし、何よりも美味かったので大満足な1杯でしたよ♪
モートラックのようなハッキリとしたボディを持つモルトは、「らしさ」を失わず、シェリーも強烈な自己主張をしないのかな?、と想像しましたが、これは早とちりでした。

考えてみたら、これまで飲んできたモートラックの多くがバシバシのシェリーでした(笑)
中には「木の根をカジってるような」ヤツもありましたっけ。。。
アブナイ、アブナイ、印象がガラッと変わるところでした。
とりあえず、こういうモノもあるってコトでインプットです♪

#モートラック #スペイサイド

この記事を書いた人