MENU

アードベッグ スーパーノヴァ

申し訳ないなぁ…と思いながらも、ここは正直に言います。

「アードベッグ スーパーノヴァ」
ほぼ全くといっていいほど興味が無かったんです。ハイ。

あれだけの話題と興味を誘っているモルト。
アードベッグ史上、最もヘビー・ピートで、ピートの含有量でいえば100PPM。
ラフロイグが40PPM、ボウモアが20PPM、通常のアードベッグが50PPMだそうですから、いかにヘビーかが想像できると思います。

↑コレが興味の無かった理由(笑)

だったのですが。
意外とスイスイ飲めてしまいました。…何故でしょう??

アードベッグ
スーパーノヴァ




過去の記事でも何度か書いているかもしれないのですが、ヘビー・ピートだったり、ビッグ・スモークなモルトが結構苦手なんでしょね。
う~ん、説明すると長くなってしまいそうなんですが、「スモーキー過ぎる」、「ピートを焚きすぎる」、「シェリーが濃すぎる」…なんでも「~過ぎる」が、どうもダメなようです。

とかいって、タリスカーとラガヴーリンが好きなが、これまた謎(笑)
ま、個人の味ですしね。

さて、このスーパーノヴァ。
こんな僕ですから、その存在はむしろ「恐れ」に近いものがあったわけですが、飲んでみるとビックリするくらい飲みやすく、拍子ぬけしてしまいました。


【色】
やや深みのある濃い金色で、少し曇りがあります。

【香り】
パワーのあるスモーク香と豊かな柑橘系のフルーツ香。
この2つが非常に濃密に凝縮されているかのような印象。
フワッと立ち昇る様な香りでは無く、グラスから溢れて下から広がる様な香り、重ための香りなんですね。ただ、同時に刺激的な香りも強すぎて、イマイチ掴みにくい印象。
少し時間を置いて、ゴリッとしたピート香が徐々に強く主張してきます。
同時に、スモーク香が驚くほど薄くなっているのに気付きます。
蜂蜜とレモン、バタートーストのような甘い香り。
はっきりと香りからも感じられるオイリーさと、うがい薬のような香りは流石ですね。

【味わい】
飲み口は、ヌルッとするくらい濃厚な滑らかさと弾力を感じます。
とにかく苦味が強く、これが「スーパーノヴァ」という名前の由来でしょうか。
ですが、その一方でスモーキーな味わいは少なく、やや硬い印象はあるものの、非常に飲みやすい印象です。奥にバナナのような甘さと、練乳とヨーグルトのような味わい。
ほんの少しだけミルクチョコレート。
そして焦げたナッツと、ほかに小児用のかぜ薬のようない薬の香り。
これは想像以上にバランスが良いですね。
上手くまとまっていながら個性をしっかりと残している味わいです。

【フィニッシュ】
喉に強く温かいシナモンのような刺激を感じ、口中にはオイリーな感じを残しつつ、再びスモーク香りが鼻の奥に感じられます。
コクのある濃さではなく、強い味わいのある濃さ。
満足感のある余韻です。

苦味のある味わいは流石アードベッグだなぁ、という印象でした。
率直な第一印象としては、「これはピートの教科書」みたいだと。
つまりスモーキーさとピーティさはイコールではないことを教えてくれる1杯なのだと思います。
スモーキーだからピーティということではない。
この2つの味わいは全く別のものなのだということをハッキリと教えてくれる味わいでした。

飲み始めの頃から勘違いしがちで(実際、僕もそうでした)、ずっと疑問だったり不思議だったことが、このスーパーノヴァで解けたような気分です。
そもそも、ピートなんて身近なものではないですからね。
勘違いして当然…かな?

とかく話題のモルトになると、"話題になったから1杯飲んでみて、ハイおしまい。"
なんて方も多いですが、それは失礼ってものですよね。
これはもう1回、もう1回と試してみたくなるような味わい。
僕のような、ビッグ・スモークが苦手な方も美味いと感じてもらえると思いますよ!

#アードベッグ #アイラ

この記事を書いた人

前の記事
次の記事