不安材料は、ただ1点。
ラフロイグという巷で大人気のシングルモルトを、僕の舌がほとんど記憶していないこと。
「最後に飲んだのいつだったか分かりません…」
なんて、平気で言ってしまいます。
そんな僕が飲んだオフィシャルの18年。
大変、恐縮ですが、ありがたいことに抜栓1発目♪
かなり自信の無いテイスティングですが、飲んだ印象を率直に言うと、
「素直に熟成されたラフロイグ」…でしょうか。
最初から否定的な話で申し訳ないのですが、僕のラフロイグに対するこれまでの意識。
1.まずスモーキーありき、な10年が、どうにも好きになれなかった。
(昔の10年は、そりゃぁもう美味かったらしい…)
2.追い打ちをかけるように、モルトを覚え始めた頃、ラフロイグ党に小馬鹿にされ、
(モルトに罪はないのですが)かなり嫌いになっていた。
3.この2つの相乗効果で、完全な"嫌いスパイラル"が脳に構築されていた。
ま、出会いが悪かったんでしょうね、きっと。
さて、オフィシャルは久しぶりです。
ゆっくり味わってきました。
…自信無いですケド。
【色】
曇った黄色に淡い褐色。
やや暗めのゴールドですね。
【香り】
綿に包まれたラフロイグ。
間違いようのない、あの香りを強く感じますが、熟成香があるために穏やかに感じられます。
この穏やかさが香り全体をまろやかさを与え、非常に落ち着いた印象。
木材の屑のような粉っぽさ、もしくは龍角散の感じ。
同時に纏わりつくようなフローラル、ベリー系の甘酸っぱさとライチ。
【味わい】
飲み口は、ややモサッとしています。
まだ硬いのでピリピリとしたアルコールの刺激が優先されてしまいがちですが、オフィシャル10年のレモンがさらに濃くオレンジのように、シロップ感がザラメのような甘さに変化しています。
オフィシャル15年も確か最初の印象はこんな感じでしたっけ。
クウォーター・カスクのような爆発力は感じさせません。
海岸の焚き火のような煙香がゆっくりと立ち上がりますが、これはまだまだ。
口の中に粘りのあるオイリーさが残ります。
時間を置くと、熟成感が豊かに広がってきます。
メープルシロップのような甘さ、柑橘系のフレッシュな苦みが合わさってメロウな味わい。
ボディに厚みを感じ、満足のある飲みごたえです。
【フィニッシュ】
強烈な硝煙香、タバコの灰、石灰のような香りが一気に口中に広がり、鼻の奥に突き刺さるようです。これがオフィシャルの力強さ。
う~ん、やっぱりラフロイグは飲みなれていないから難しいですね。
ただ、突出したスモーク香を柔らかく包み込む、まろやかな熟成感は、思った以上に満足のいく飲みごたえでした。
"まずスモーキーありき"でクセを求める方にも、ぜひこの18年の味わいをゆっくりと愉しんでみてほしいですね。刺激的な個性の奥にあるラフロイグの太さを感じられると思いますよ。
僕もかなりラフロイグの印象が変わりました♪
#ラフロイグ #アイラ