MENU

キリン&サントリー


キリンHDとサントリーHD統合交渉が報道されてから数日、
ずっと心に留めていた事だけど、今日は言わせてもらう。

言うまでも無いが、正直なところ、僕はジャパニーズウイスキー愛飲者の一人だ。

僕がそこへ辿り着くまでには、同国でウイスキーを作り続けてきた
先人達への感謝、尊敬等々、「等々」では言い表せない程の深く様々な想いがある。

しかし僕には国内でウイスキー製造販売をしている、ある上場企業の子会社、
さらにはその会社のファンに失望落胆させられた経験がある。

その子会社の創業者は世間にジャパニーズウイスキーの父と呼ばれ、
僕もそれをしっかりと受け止めていた。

はずなのだが、

その会社の社員、スタッフ共にはCIも無く、日本の大企業の従業員という名に溺れ、
昔の公務員(今の公務員はずっと良いです)の様な、サービスレベルの低い態度。

果てには、子会社の役員共は創業者の夢も志も忘れ、
「ウイスキーが熟成していく神秘を伝える役割をほぼ果たした」と
役員会で決議した経緯がある。

もう、「アホか!?」といしか言え無い程に飽きれた会社になってしまった。

そういう会社になってしまったのは
「上場企業である親会社の子会社である」というステイタスが、
間違いなく、確実に原因となっている。

驕りであり、怠慢であり、それは悲しみでもある。

僕にとって、その会社が製造販売するウイスキーはハッキリ言って不味い。

味が不味いのではない。
舌で美味いと感じたとしても、即に心と頭で不味く、そして寂しく感じてしまう。

より上質なウイスキーを製造するために資金を得ようとした事は否定しない。
でも結果、今の法人は狂ってしまった。

もう、後戻りはできない。
この先ずっと、上々企業の子会社であり、数字を追い求め利益を出し続けるしか
生き残る道は無い。上場会社に創業者の夢は要らないのだ。

上場のリスクは大きい。

僕の仕事の取引先も数年前に一部上場したけれど、
トップダウンが出来ず、闇雲に夢に向かう「野心」は表せなくなってしまった。
創業者の「夢」を実現するよりも「株主」にお伺いを立てている。

独創性よりも利益、数字。
それこそが、上場企業の本質だ。

創業役員一同が店頭公開で利を得るのも否定しない。

でも法人って何?!働くって何なのさ?
人が人たる故の本質を忘れてはいけない。

様々な意味でも、サントリーがこれまで上場しなかった事は、
僕が心底、心魅かれる理由の大部分を占めている。

アップルコンピュータと同様に、サントリーの株を1株でも欲した事は否めない。
投機的理由じゃない。好きだからこそという、
シンプルな理由で株主の1人となりたいと思った。

でも違う。
上場しないサントリーに惚れているんだ。

これからキリン&サントリーが何を目指し、どこへ行くのかは知らない。
キリンとサントリーの統合企業の社名がどうであれ、
それぞれのブランド商品がどうなっても構わない。

もっと言えば、軽井沢蒸溜所がどうなっても良い。

統合による細かい数字やハードルを克服し、統合する事は見え見えだ。
統合は否定しない。

だけどこれだけは言わせてもらう。

サントリーよ、自社株式を公開するな!
未来永劫「やってみなはれ」と言える椅子を手放すなよ!

#japanese

この記事を書いた人

前の記事
次の記事