08年3月に発売したイチローズモルト4種類の内の1本で、唯一のブレンデッドモルト。
「ジャパニーズモルト」と記していないあたりに怪しさを感じていたけれど、
イチローズモルト・ブランドにはそれを覆してくれるだけの期待を胸に飲んでみた。
香り
絞り立ての醤油、まだまだ乳酸菌を感じるエグイ直火蒸溜原酒、生々しい牛乳。
ピートから来る鉛筆削りの削りカス(ウッディ)とスス。
ところが、少しグラスから離して香ると甘いミルクやホットミルクチョコレート。
さらにほんのり羽生らしいベリー系のサルファーや重みがあって、
甘めのブレンデッドスコッチ。
味わい
舌触りは滑らかで丸いが、何よりも若い!
乳酸菌を感じるエグイ直火蒸溜原酒をもろに感じる。
また「辛み」や、白州の様な透き通る軽いピート感があって、
その後に来るオランジェットの苦味がストレート。
奥には燃える新聞紙をを感じる。
シェリー樽原酒の様でそうではない軽くて深い樽香はミズナラ?
でもミズナラ原酒の神々しい香りとは違うシンプルなミルキーさを感じる。
加水後の味わい
ニューポットの荒々しさ、青臭さと辛み、そして渋味を感じる。
後味
オランジェットの苦味が、ほんのり残る。
総評
味わいから「若い羽生+若い新樽のライトピート余市+そこそこ若い白州
+適度に熟成した軽井沢+何?」等と連想していたが、
このウイスキーをネット検索して出てくる記事を読む限り、
正解は「若い、羽生+αのモルトがそれぞれ半々」であり、
僕の連想が不正解である事が分かって、
やっぱり僕の舌の信憑性は薄いな~と、再認識。トホホ…。(笑)
それにしても何故イチローさんは、こんなに強烈に若いモルトをボトリングしたのか?
「個性」と言えばそれまでなんだが、ウイスキー歴3年弱の僕にとって、
ミズナラウッドリザーブの味わいはちょっと理解に苦しんだ。
特に新しい蒸溜所が稼働し出したこの時期に発売したモルトとしてどうなのだろう?
これでも言葉を選んだと思っているけれど、浮かんでくる言葉は
もっとエゲツナイ、乱暴なもの…。
それとも僕のウイスキー歴が浅いために、
このモルトの美味しさを分からない、気付かないだけなんだろうか?
またはイチローズモルトに対する期待が過度になっているせいだろうか?
また「ジャパニーズモルト」「ジャパニーズウイスキー」表記ができる商品にも関わらず
その様な表記をせずに「ブレンデッドモルト」と、極く自然体な表記をしてくれた事は
他の営業上手な国産メーカーと異なって、ウイスキーに対するポリシーを感じられる。
#malt